家族とともにサポーターにあいさつするイニエスタ＝味の素スタジアム（撮影・蔵賢斗）

今年10月に引退を表明したサッカー元スペイン代表でJ1神戸でもプレーしたMFアンドレス・イニエスタ（40）が15日、東京・味の素スタジアムで引退試合を行った。バルセロナ、ライバルのレアル・マドリードのOBが日本に集結。伝統の一戦〝クラシコ〟として同氏の花道を飾った。 【写真】ボールを奪い合うイニエスタとフェルナンドトーレス。佐賀で豪華な対決が実現した 4万5725人の観衆がラストダンスをその目に焼き付けた。イニエスタの引退試合。現役生活の晩年を過ごした日本で、名手が静かにスパイクを脱いだ。「素晴らしい時間を過ごした日本は僕にとって大切な場所。サッカーは情熱であり、それをファンと共有できたことは一生忘れない」。最愛の家族とともにあいさつした元スペイン代表は、サポーターの拍手に見送られスタジアムをあとにした。 名門バルセロナで2002年から18年までプレーし、9度のリーグ制覇を経験。スペイン代表では10年W杯南アフリカ大会で初優勝に貢献した。18年から5年間、J1神戸に在籍。晩年はUAEでプレーしたが、引退試合の場に選んだのは〝第二の故郷〟の日本だった。 伝統の一戦「クラシコ」がバルサOBとレアル・マドリードOBによって日本で実現。W杯優勝メンバーのMFシャビ、GKカシリャスや、02年日韓大会優勝のブラジル代表だったMFリバウドやDFロベルト・カルロスなど、往年のスターが集った。試合はイニエスタとシャビがバルサの攻撃をリード。1―1の後半追加タイムには、イニエスタが左クロスで相手オウンゴールを誘発し、2―1でバルサが勝利した。 旧友との再会に「久しぶりだった。思い出すことがあり、素晴らしい時間だった」とイニエスタ。「プロキャリアは終わったが時間は止まらない。指導者ライセンスを取ることも考えており、これからもサッカーに関わる」と語った。