TWICE所属事務所が誹謗中傷に対し告訴 日本人メンバー標的にされたことも
3名の日本人メンバーが参加し日本でも人気のある韓国の9人組ガールズグループ「TWICE」だが、かねてよりネット上で中傷を受けており、所属する韓国のJYPエンターテインメントがそれらの誹謗・中傷に対し告訴を行ったことがわかった。20日、韓国メディアなどが報じている。今後はさらに徹底した対策が取られる模様だ。
日本でもっとも成功したK-POPガールズグループ
TWICEは2015年に韓国で放送されたオーディション番組を通し選ばれたメンバーで結成され、ナヨン、ジョンヨン、モモ、サナ、ジヒョ、ミナ、ダヒョン、チェヨン、ツウィの9名のうち、モモ、サナ、ミナの3名が日本人。同年10月にデビューするとわずか約1ヵ月半後に2015 Mnet Asian Music Awardsの女性新人賞を受賞するなど、スタートから順調にキャリアを重ねた。翌16年には幕張メッセや国立代々木競技場第一体育館で開催されたステージにも出演し、日本進出。17年には「今年の活躍が顕著だった」と評価され第68回NHK紅白歌合戦出場を果たした。その後、18年・19年と連続して出場している。K-POP女性グループが紅白に連続出場するのは史上初の快挙と驚かせた。ドームツアーも実現させたほか日本でのアルバムセールスもKARAを超え、日本でもっとも売り上げているK-POPガールズグループとなった。
平成から令和への改元時は日本人メンバーが標的に
しかしながら、かねてより韓国と日本の双方でTWICEへのネットの中傷問題はたびたびニュースになってきた。昨年は日本人メンバーのサナが平成から令和に改元されたことについてSNSに投稿したところ、炎上した騒ぎがあった。日韓は政治的には非常に難しい問題を抱えており、このときはこれを発端に一部ネットユーザーがサナはじめTWICEを誹謗中傷のターゲットとした。 また、今年6月にはTWICEが歌唱力にまつわる議論の渦中に立たされたこともあった。音楽番組「SHOW CHAMPION」におけるアンコールのステージでモモの歌ったパートがやり玉に上げられ、ネット上で酷評を受けたのだ。それ自体は芸事に対する酷評の範囲にとどまる限りは仕方ないことだが、TWICEに関してはプライベートにまつわるデマなど誹謗中傷の被害がかねてより目立ち、酷評が中傷にエスカレートしやすい傾向がネット上の問題として浮上していた。そういった流れもあり、所属事務所のJYPエンターテインメントは6月にも公式サイトを通し、ネット上の虚偽事実流布、名誉毀損、業務妨害などで告発を進めると警告をしていた。 その上で今回、韓国においてJYPエンターテインメントが悪質なコメントをはじめ名誉毀損と思われる深刻な書き込みが掲載されたコミュニティ、ブログも含め法的措置を進めると発表したわけで、さらに一段、対策のステージが上がった形だ。 ネットにおける誹謗中傷は日本でも芸能界のみならず社会的な問題として大きくクローズアップされつつある。過度な規制が正当な批判までも萎縮させてしまわないよう十分な配慮が必要ではあるものの、悪質な誹謗中傷については今後日本でも徹底した対策が取られていくことになりそうだ。 (文:志和浩司)