「れっきとした油断ですよ」四国勢敗北の要因を、帝王・山田裕仁が徹底解説!/松山競輪G3決勝
現役時代はKEIRINグランプリを3度制覇、トップ選手として名を馳せ、現在は評論家として活躍する競輪界のレジェンド・山田裕仁さんが松山競輪場で開催された「道後温泉杯争覇戦」を振り返ります。 2024年8月11日(日)松山12R 施設整備等協賛競輪in松山 道後温泉杯争覇戦(G3・最終日)S級決勝 左から車番、選手名、期別、府県、年齢 ①福島武士(96期=香川・38歳) ②新田祐大(90期=福島・38歳) ③坂本健太郎(86期=福岡・44歳) ④真鍋智寛(121期=愛媛・25歳) ⑤宿口潤平(91期=埼玉・42歳) ⑥原誠宏(91期=香川・39歳) ⑦片岡迪之(93期=岡山・37歳) ⑧吉田智哉(111期=愛媛・26歳) ⑨飯野祐太(90期=福島・39歳) 【初手・並び】 ←④⑧①⑥(四国)②⑨⑤(混成)⑦③(混成) 【結果】 1着 ②新田祐大 2着 ①福島武士 3着 ⑥原誠宏
「裏開催」に、グランドスラマー新田祐大が登場!
まずは、閉幕したばかりであるパリ五輪の話題から。男子ケイリンでは中野慎詞選手(121期=岩手・25歳)が決勝戦に進出し、ついにメダルに手が届くか…というところまで詰め寄るも、最終コーナーでマレーシアの選手と接触して落車棄権。準決勝で3位入線も失格となった太田海也選手(121期=岡山・25歳)もそうでしたが、いささか消化不良な結果となってしまったのは残念です。 しかも、中野選手は落車時に鎖骨を骨折して帰国後に手術とのことで、平塚・オールスター競輪(G1)への出場は厳しそう。まずはしっかり負傷を治して、また国内で力強い走りをみせてほしいものです。太田選手もオールスター競輪に出場予定で、こちらはうっぷんを晴らすような素晴らしいレースを期待したいところ。激戦の疲れが残っているとはいえ、日本代表として恥ずかしい走りはできませんからね。 そんな五輪の“熱狂”や、オールスター競輪が開幕直前という盛り上がりのなかで開催されたのが、愛媛県・松山競輪場での道後温泉杯争覇戦(G3)。8月11日には、その決勝戦が行われています。G3にしては出場メンバーの層が薄い「裏開催」ですが、このシリーズにはグランドスラム達成者である、新田祐大選手(90期=福島・38歳)が出場。当然ながら、その走りに注目が集まりました。 初日特選での新田選手は、打鐘では後方7番手に置かれるも、その直後からの仕掛けで長く脚を使って捲りきり1着。連係した吉本卓仁選手(89期=福岡・40歳)と坂本健太郎選手(86期=福岡・44歳)がそのまま2着と3着に入り、ラインでの上位独占を決めています。格からいえば勝って当然の存在ですが、その「当然」に応えられるだけの身体をしっかり作って、このシリーズに臨んできたようですね。 続く二次予選では、カマシて主導権を奪った地元勢がいったんは完全に抜け出すも、それを豪快に捲りきって1着。そして準決勝では、打鐘後にカマシた橋本瑠偉選手(113期=栃木・29歳)と新田康仁選手(74期=静岡・50歳)の2車を前に出して、3番手から盤石の立ち回り。最終2コーナーを回ったところで仕掛けると、素晴らしい伸びで捲りきって無傷の3連勝で勝ち上がり。完全優勝に王手をかけます。