「れっきとした油断ですよ」四国勢敗北の要因を、帝王・山田裕仁が徹底解説!/松山競輪G3決勝
四国勢の二段駆け封じた、新田祐大の超一流の走り!
2着は福島選手で、3着は原選手。さらに、4着が飯野選手で5着が宿口選手と、新田選手の後ろにいた選手が、その順番どおりにゴールしています。審議でヒヤッとしましたが、アグレッシブな走りで1着をもぎ取った新田選手の走りは、さすがは超一流といえるもの。あの動きも、四国勢の二段駆けを封じるために考えていた策のひとつだったのでしょう。つまり、新田選手にとっては「想定内」です。 それとは対照的に、あの動きが「想定外」だったのが四国勢。スタートを取って前受けを決めたまではよかったですが、赤板を通過したときにライン全員が外帯線の外にいたというのは、れっきとした油断ですよ。そして、そういった隙を超一流の選手は絶対に見逃しません。新田選手に内から入り込まれなかった場合にどうなっていたかはわかりませんが、これが四国勢にとっての“敗着”だったのは間違いありません。 このシリーズでの新田選手は、力任せに捲るようなワンパターンな走りではなく、さまざまな走りをみせてしっかり勝ち切っている。「完全優勝して当然」との下馬評ではありましたが、それを内容のある走りで達成してみせたのですから、やはり強いですよ。優勝者インタビューでみせた表情は柔らかく、オールスター競輪に出場できない悔しさも、これで少しは晴らせたでしょうか。早く、大舞台での走りが見たいものです。