拓殖大のテーマは「エースだけに頼らない駅伝」 絶対的エース不破聖衣来が不在も同期のキャプテンと頼もしいルーキーたちが誓う
第41回全日本大学女子駅伝が29日正午すぎに号砲を迎えます。前回大会、エースが集まる5区で2年連続の区間賞を獲得したのが、拓殖大学の大黒柱・3年生の不破聖衣来選手です。 【動画】拓殖大・不破聖衣来の大学駅伝デビュー戦 衝撃の区間新記録 不破選手は当時1年生の2021年大会5区で、区間記録を1分以上縮める区間新記録をマーク。同年には10000メートルで日本歴代3位の記録を出した学生陸上界トップランナーです。その目標は「2028年ロス五輪マラソンでの金メダル」と語ります。
■エースの不在の危機に奮起した同期の存在
異次元の走りでチームを引っ張ってきた不破さんですが 、1年生の時から怪我や貧血と戦ってきました。不破選手は「走りたいのに走れないっていうもどかしさが、すごく辛かった」と振り返ります。 今季も思うような結果が残せず、全日本は初めて出場できない可能性が生まれました。そんなチームのピンチに奮起したのは同期の門脇奈穂選手です。門脇選手は「聖衣来を頼ってしまう部分があったので。自分たちの力でちゃんとシード権が取れるような(チームになる)」と意気込みます。 1年生のときから全日本を走り、不破さんと共にチーム初の表彰台に貢献。今年、3年生ながらキャプテンに抜てきされました。 不破選手は「奈穂がキャプテンを任された時から、同期としてチームに貢献して少しでも助けられたらいいなと思っていた。でも奈穂はしっかりしているので助けられてばっかり」と信頼を寄せています。 チームを離れひとりで練習することもあった不破選手ですが「自分の体調をすごく心配してくれて、みんながいる場所があるから安心して1人でも合宿でもずっと頑張れるのかなと思う」とはにかみながら話します。 門脇選手は「こんなに前向きにやっているところが本当にすごいと思う。聖衣来が走れないときはその分まで頑張らなきゃと思うし、一緒に走れたら自分が聖衣来を助けられるような走りをしたい」とキャプテンとしての思いを語ります。不破選手の姿は、確実にチームにも影響を与えていました。