「artKYOTO 2024」のプログラム詳細が発表。国の名勝・渉成園で多彩なアートが展開
京都市の名勝・渉成園で、アートフェア「artKYOTO 2024」が10月31日~11月3日の会期で開催される。 今年のフェアでは、古美術から現代美術まで、幅広いジャンルの作品が16のギャラリーと美術商から出品。会場は、池泉回遊式の渉成園内に点在する4ヶ所の建物[閬風亭(ろうふうてい)・臨池亭(りんちてい)・滴翠軒(てきすいけん)・代笠席(たいりつせき)]となる。 出展ギャラリーには、Artglorieux GALLERY OF TOKYO、Ritsuki Fujisaki Gallery、hatonomori art 、ギャラリー広田美術、KANEGAE<KOGEI Next>、GALLERY KOGURE、メグミオギタギャラリー、RED AND BLUE GALLERY、SH GALLERY、しぶや黒田陶苑、ギャラリー志、瀧屋美術、TAV GALLERY、Wa.gallery、古美術 柳、ZEAL HOUSEなどが名を連ねている。 会場では、古美術 柳、ギャラリー志、KANEGAE<KOGEI Next>が滴翠軒で共同展示を行い、日本の美意識を次世代につなげることを目指して選ばれた作品が展示。とくにKANEGAE<KOGEI Next>は、薄いガラスが空間と調和する緊張感あふれる作品で知られる田中里姫をはじめとする3人の作家の作品を紹介する。 閬風亭では、工芸と近現代美術の作品が中心に展示され、しぶや黒田陶苑からは乾漆、卵殻、螺鈿、蒔絵などを用いた時田早苗の作品が出品される。hatonomori artからは、綿布にアクリルや廃油を滲ませた榎倉康二の作品、メグミオギタギャラリーが出品する浅野弥衛の絵画、RED AND BLUE GALLERYの味岡伸太郎による絵画や立体作品が並ぶ。また、Ritsuki Fujisaki Galleryからは、90~00年代生まれの新進気鋭の作家たち、ブラッドフォード・ケスラー、Taka Kono、山本和真らの作品も紹介される。 代笠席では、Artglorieux GALLERY OF TOKYOがインスタレーションを展開し、面象嵌の第一人者である今井政之とその家系の今井眞正、今井完眞の陶芸作品、西陣の伝統的な金属箔技術を用いた裕人礫翔の作品を展示する。蘆庵では、Wa.galleryがアニミズムと空間をテーマに、和紙、土、顔料を多層に重ねたハタノワタルの平面作品や、藤井桃子によるしめ縄作品など、自然素材を活かした作品を展示する。 さらに、京都市特別企画「超適応:新しい時代の工芸と表現」も閬風亭の大玄関で開催される。このグループ展では、若い世代の作家が工芸や伝統的技術を用いて、現代の環境問題に応じた新たな表現を探求する。自然との共生をテーマにした作品を通じて、人新世における人間の存在意義や未来への視点を提示する。 なお、同フェアの会期中には国際的なアートフェア「Art Collaboration Kyoto 」(11月1日~3日)も開催される。京都の歴史と文化に根ざした独自の空間で、伝統と革新が融合する多彩なアートフェアを楽しんでほしい。