ワーママへの''過剰な配慮''が、ママ社員の退職理由に⁉︎ マミートラック解消に向け企業が見直すべきこと
稲田 また、mogでは女性の管理職100人にインタビューをしたことがあるのですが、そのうちの8割はもともと管理職に対して後ろ向きでした。そこから管理職になった理由が、「上司にたくさん褒めてもらった」とか「上司から何度も打診されるの中で気持ちが変わった」といった、上司とのコミュニケーションを経てのケースがとても多くて。上司は対話力が必要な時代だなとつくづく思います。
管理職のアップデートが、若い世代がキャリアに希望を持つ鍵
── 国立女性教育会館の調査によると、入社当時に管理職になりたくないと答えている女性は約3割ですが、入社後に「目指したくない」の回答が約半数になっています。女性の管理職を増やすことも含めた「管理職のアップデート」が、これからの女性のキャリアを考える上で必要な気がします。 浜田 今の若い世代が管理職になりたがらないのは、女性に限った話ではないんです。最近、Z世代に取材する機会が多いのですが、Z世代は3年以内に3割以上離職します。その退職理由で多いのが、上司の姿から何年か先の自分を想像して、「あんなふうになりなくない」と思ってしまうこと。管理職は管理職で大変なんだけれども、やっぱり管理職が自ら働き方を変えておもしろそうに仕事をしていないと、下の世代は辞めていってしまうということですよね。 稲田 管理職のおもしろさは、もっと伝えていきたいですね。 浜田 大変なこともあるけれど、自分で組織を変えられるおもしろさがありますから。 稲田 人がストレスを感じるのって、不満があっても従わないといけないときですが、管理職になると組織も仕事内容も変えられるし、新たなマーケットも開拓できる。本当は事業をドライブできるおもしろさがたくさん詰まっていると思いますが、日本の管理職の多くは、社内調整に偏りがちでそんなに裁量がない。 浜田 今の管理職のタイプを変えずに、「みんな管理職になってね」と勧めようとするから、やりたくない人で溢れてしまうんですよね。