鼻にスプレーするだけの「フルミスト」か注射か…小児科医が解説「インフルエンザワクチン」2タイプ徹底比較
■接種できる医療機関は少ない 子どもが新型コロナワクチンを接種できる医療機関はとても限られているのが現状です。その理由は、接種希望者が少ないから、注射薬の規格が数人分だから、その日のうちに使わなければならないからです。 例えば、2024年3月31日までにたくさんの子どもが接種したファイザー社のコミナティの場合、注射薬3人分が1つのバイアルに入っています。ですから、生後6カ月~4歳の接種希望者が2人しか集まらないと、1人分を捨てることになります。その1人分は医療機関の持ち出しになるので、接種予約を同じ日に集めることになるのですが、接種希望者が少ないと難しいのです。 また、医療機関に注射薬を卸す会社に、子どもにも使える新型コロナワクチンの取り扱いをしているところが少ないのです。クリニックや病院は1社~数社の卸業者と契約していますが、どこの業者もそのワクチンを扱っていないということもあります。 受験や大事なイベントを控えているとか、身近にうつしてはいけない高齢者や基礎疾患のある人がいるといった理由で、新型コロナウイルス感染症をワクチンで防ぎたいというお子さんは、大きな病院やワクチンに力を入れているクリニックに問い合わせてみてくださいね。 ---------- 森戸 やすみ(もりと・やすみ) 小児科専門医 1971年、東京生まれ。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、現在は東京都内で開業。医療者と非医療者の架け橋となる記事や本を書いていきたいと思っている。『新装版 小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』など著書多数。 ----------
小児科専門医 森戸 やすみ