蛯原友里さんが登壇「育児を取り巻く環境がより良く優しいものになってほしい」『日本橋 母乳バンク』がリニューアル!
しかし母親の母乳がまだ出る段階ではなかったり、薬を服用中で母乳があげられなかったりする場合も。そんな時に活用できるのが「母乳バンク」です。母乳バンクは、母乳がたくさん出る母親から寄付いただいた母乳を低温殺菌処理し「ドナーミルク」として保管。医師の要望に応じてドナーミルクを早産や極低出生体重児が生まれた提携の病院に提供します。母乳を提供するドナーは事前登録制、過去の病歴や血液検査を含むさまざまな検査を経て登録することができます。 2023年度は母乳バンクがドナーミルクを提供した赤ちゃんの数は1000人を超え、ドナーミルクを利用する病院数も95まで増加。母乳を提供してくれるドナー登録者数も600人を超えました。昨年行われたクラウドファンディングにより最新の低温殺菌処理器が新たに1台増え、処理能力もアップ。施設面積も2倍に拡張し、需要がさらに増えた場合にも対応できるようになりました。しかし母乳バンクは赤字運営で行政からの運営資金・運営体制のサポートが必要であることは変わりません。 「ドナーミルクの主役は、母親とそれを必要とする赤ちゃんです。『日本橋 母乳バンク』から全国の病院へ、安心して使ってもらえるドナーミルクを届けていきたいと思います。そのためにはより多くの人に知ってもらい、国や自治体、企業や個人からの支援が増えることを期待しています 」(水野先生)
「生存率を上げたい、障害が残る可能性を下げたい」「生死をさまよう状態からドナーミルクで命を救いたい」使用した家族のリアルな声
イベントでは、実際にドナーミルクを活用した家族が登場し、生の声を聞かせてくれました。 1人目は、岡野菜月(仮名)さん。妊娠27週3日、予定より3ヵ月早い早産となり、678gで光輝くん(仮名)を出産。ドナーミルクを生後1週間から6ヶ月ごろまで使ったそうです。 「初めてドナーミルクについて聞いたのは出産前でした。ドナーミルクが早産になった赤ちゃんの生存率を上げる、障害が残る可能性を下げることができると教えてもらいました。産後に再度説明を受け、使用させていただくことを決めました。せっかく生まれてきてくれた子に障害があるのは辛いことですよね。その可能性を少しでも下げられたらと思い、決断しました」(岡野さん)