一度きりの人生だもの、「卒婚」と「死後離婚」という道があってもいいじゃないか
累計188万部の大人気シリーズ『おとなの週刊現代』が大幅リニューアル!週刊現代で大反響だった記事の中から、相続や在宅介護など、「死後の手続きと生前準備」にまつわる記事を、加筆のうえ、ピックアップ。<第1部 知らないと損する死後の手続きの新常識>、<第2部 今日から始める生前準備のすべて>、<第3部 身の回りの整理整頓。人生の最期を考える>の三部構成からなる『おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』 (講談社MOOK) より一部抜粋・再編集して、人生の最期で失敗しないためのノウハウをお届けする。 医者が明かす「痛い死に方ランキング」ワースト50 『おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』 連載第11回 『「その戒名ではダメです」葬儀で実際に起きた「戒名トラブルの正体」とその防ぎ方』より続く
「卒婚」と「死後離婚」という道があってもいいじゃないか
長年連れ添っている夫婦のなかには「熟年離婚」を考えている人も少なくないはずだ。 定年後の同居ストレスや子どもの自立などきっかけはいろいろあるが、年を重ねてからの離婚はトラブルが起きやすい。 「離婚時の条件がなかなか夫婦で合意に至らないことが多いです。たとえば財産分与をどうするか、年金の分割はどのように行うか、などがあります。 いざ離婚できたとしても、妻側は収入減による精神的疲労に悩まされたり、夫側は食事やストレスの管理に失敗して寿命を短くしたりしているケースは多いです」(家族問題評論家の宮本まき子氏) 夫婦関係は冷めきっているが、デメリットが多そうな熟年離婚には踏み切れない。かといって、平気なふりをして家庭で「仮面」をかぶり続けるのは嫌だ。これから亡くなるまで、どう関係を維持していくべきか。 こうしたことを考えるのも立派な「生前準備」だ。そして、そんな人たちには「卒婚」を考えてみてほしい。 卒婚とは、婚姻状態にある夫婦が互いに干渉することなく、個々の人生を歩んでいく生活形態のこと。離婚によるデメリットを回避しつつ、時間とカネと人間関係のロスを最小限に抑えて「各自、思い残しのないように人生の収穫期を楽しみ、自分のワールドを作り上げる」、夫婦の頭脳戦のようなものだ。