iPhoneのアプリストア外部解禁、情報漏えいの危険はないのか? 規制案を作った政府のキーマンが描く構想とは
「自社サービスの優遇といったいくつかの問題が見えてきているが、(事業者の申告などを踏まえ調査を実施する)現在の独占禁止法の対応では時間がかかりすぎる。新しいアプローチとして、競争の弊害になると認識されるものは、最初から『これはダメだ』と示さないと機能しない。日本が特殊なわけではなく、グローバルにもそのような認識ができている。G7など各国当局と連携している」 ―規制によって誰がメリットを享受するのか。 「スマートフォンのプラットフォームは、ユーザーにサービスや商品を提供したい事業者と、そのサービスや商品を利用する消費者をつなぐ役割がある。競争上の弊害は、プラットフォームを利用する事業者で多く出ており、フェアな競争環境になれば解決できる。一方で、消費者は気づきにくい立場だが、デフォルト(標準)設定によって選択肢が見えにくくなっている。競争が活性化することでより多様で低廉なサービスが出てくるのは消費者のメリットになる」
▽「無審査のアプリは認めない、安全性を担保できないならアプリストア停止も」 ―安全性を確保した上で、アップル以外のアプリ流通経路を認めるとしているが、本当に安全性を確保できるのか。 「意見公募では、多くの方から無審査のアプリのリスクが指摘されたが、無審査のアプリは認めない。どんなアプリストアでもいいわけではない。セキュリティーとプライバシーを適切にチェックできるストアでなければならない。これを実現するためには、アップルなどOS事業者がアプリストアに対する審査などで関与する必要がある。ユーザーがアプリストアを信頼できるかどうかの情報提供も重要だ。事業者はやると思うが、私たちもユーザーへの情報提供を行う。アプリストアが安全性を担保できていない場合、OS事業者が新ストアを停止させることもある。こうした仕組みは、セキュリティーの専門家の意見を踏まえており、これなら大丈夫と判断した」 「ユーザー目線では、お子さま向けのアプリストアがあった方がより安全ということも考えられる。今はそういう選択肢がない。安全と安心を重視しながら競争を促進することが重要だ」