レシピなし“小さな発明” 86歳が「牛ずし弁当」を伝授 牛肉と酢飯の絶妙な味わい 自慢の味を後世に 人気レストランに継承
■レシピのない“小さな発明”
田幸袈佐昭さん: 「私にとっては小さな発明じゃないかな。私も高齢なものですからこの『牛ずし』を残したいですよ。長野市の名物になってもらえばという考え方だが、引き継いでくれる人がいなければ話にならない。そういう人を1人でも探して、教えて、長野にはこういうものがあるんだと知名度を広げてやっていければ」
■人気のレストランに継承
長野市穂保のビュッフェレストラン「みーるマ~マ」。 田幸さん教える: 「なるべくとろ火で長く煮れば煮るほど色ついてきますし、味に深みが出てくる。いい加減な料理なんですけど、これで長年やってきたもので」
加藤正料理長に作り方を教える田幸さん。 「みーるマ~マ」も「牛ずし」のメニュー化に乗り出してくれたのです。
田幸さんとレストランを結びつけたのが業務用食材の卸売会社で働く小山昌彦さんです。 須坂市出身で子どもの頃、「牛ずし」を食べたことがありました。 ナガレイ・小山昌彦さん: 「山形の駅弁で『牛肉ど真ん中』というのをテレビで取り上げてまして、昔、子どもの頃に甘辛く味付けた牛肉が乗ったお寿司を食べた記憶がポンとよみがえりまして、妻にそのことを話したら、私の妻は食べたことがないと。もしかしたら須坂だけなのかと思いながらネットで検索をしてたら、長野放送さんの動画に行きついて、田幸さんが無償で教えてくださるということで」 2023年放送した「特集」の動画を見た小山さんが取引のある「みーるマ~マ」にメニュー化を提案しました。
みーるマ~マ・松本雅弘店長: 「味の伝承というのもありますし、新しいみーるマ~マの名物の一つになればいいかなと思って、今回お受けしました」
■懐かしい味に
「牛ずし」にレシピはありません。 まず目と舌で覚える必要があります。 みーるマ~マ・加藤正料理長: 「一度に調味料を決まった分量入れるのではなく、ちょっとずつ足していくところが、長年の味覚がきちんとしているからこその仕事なんだと感じる」