「ところで、私は所得税いくら払ってるの…?」だと!課税所得ゼロのパート妻が通ぶって「無策の増税メガネ」批判。夫が抱える「どうしようもないモヤモヤ」
ママ友の中にも円安の話を振ってくる人がいるという。知っておかないとマズいとでも思ったのではないか。だがネットで検索しても、もしかすると解説が理解できなかったのではないか、と想像した陸斗さん。 妻の問いかけに対し、円の価値が下がることでしょ?それを噛み砕いて説明してあげればいいじゃん、と答えた。 「妻は、『それはわかってるんだけど、円の価値が下がるってどういう意味?もうちょっと簡単な言葉で説明してよ』と言いました。 僕は『円安ドル高って覚えなよ』と答えました。円の価値が下がっているときはドルなどの外貨の価値が上がるんだから、海外旅行では現地での出費がかさむし、外国からの輸入品は高くなるだろ?と説明したんです」 しかし、妻は頭痛に悩んでいる時のような顔をして不機嫌になった。 「妻はこう言いました。『え、待って、わかんない。あの表見てたら値段上がっていってるよ、安くなってないじゃん』と子供みたいな口調で訴えてきたんです。値段て……」 どうやら為替レートが円安に振れたときに見た目の数字が増えていく現象が妻を混乱させていたらしい。 「確かに覚えるまではややこしいと思いますが、それを30過ぎまで覚えてこなかったということに驚きましたね。どの口で子供に円安を教えてあげるつもりなんでしょうか」
今回の定額減税について、陸斗さんは「制度がわかりづらい。パートで働いている妻が全く理解できていない」と答えてくれていた。この点について聞いてみる。経済オンチだという妻は、実際この定額減税に対し、どの程度理解しているのか。 「全く理解していませんし、しようともしていません。ただ、今回の減税の報道がきっかけで、年間100万以下しか稼いでいない妻が所得税を払っているものと勘違いしていたことを知り、呆気に取られています」 陸斗さんの妻は週に数回パート従業員として勤務している。働き方や収入は扶養の範囲内で調整してもらっているという。 「もちろん、扶養に入るために年間給与が103万以下となるように働いているわけですが、妻は扶養という言葉だけ知っていて、実は意味をわかっていなかったのではないかと思っています」 と陸斗さん。おまけに、妻は家計を助けるつもりなど毛頭ない。 次回では、何も知らないのに上から目線で政府の減税策を指弾する妻と、陸斗さんとの間におきたトラブルを詳報する。 取材/文 中小林亜紀