周りに合わせすぎてストレスを抱える子どもの「過剰適応」 10歳までに心がけたい、5つの対処法とは【医師が解説】
■子どもの「自己肯定感」を高めるための5つの対処法 「うちの子、もしかしたら過剰適応かも」「すでに心の病を発症しかけているかも」……と思ったとき、まず必要なのは子どもの自己肯定感を高めることです。子どもの性格や状態に合わせて、次の5つを参考にしてみてください。 1)親子で話す機会を増やし、安心感を与える 「過剰適応」の子どもは、いつでも空気を読んで人の期待に応える言動をしているため、常に緊張状態です。せめて家の中では緊張しなくてすむように、親は安心感を与えられるような対応を心がけましょう。 まずは、子どもとゆっくり話す機会をこまめにつくって、子どもの話を聞いてあげましょう。その際、質問攻めにしたり、親の意見を押しつけたりしないことが大切です。子どもの年齢や性格に合わせて、握手やハグなどのスキンシップを取ることもよいでしょう。 親子で話す機会を増やして、子どもが徐々に落ち着くようであれば、そのまま様子を見続けましょう。 2)子ども自身が決めた目標を達成したらほめる 日常的に小さな目標をつくり、子どもが達成できたらほめるということを繰り返しましょう。子どもの自信につながり、自己肯定感を高めることができます。このとき大切なのは、一方的に親が目標を決めないこと。子どもが自分で目標を決められないときは、いくつか目標になりそうな選択肢を提案して、子どもに選ばせるようにします。 また、目標を達成できないときは「一度決めたことはやりとげなさい」と叱るのではなく、子どもと話し合って目標を下げましょう。重要なのは目標の難易度ではなく、達成できた喜びを感じることだからです。 3)睡眠時間をしっかり確保する 睡眠時間をしっかり確保することは、体はもちろん心を健康に保つためにも大切です。 小学校低学年であれば、医学的には10時間程度の睡眠が必要です。子どもを早めに寝かせることは、忙しい親には負担が大きいかもしれませんが、できるだけ心がけてください。