周りに合わせすぎてストレスを抱える子どもの「過剰適応」 10歳までに心がけたい、5つの対処法とは【医師が解説】
親の言うことをよく聞き、友だちとも仲よくしている――。一見、何の問題もなさそうに見える「いい子」。しかし、実は周囲に合わせすぎることで自分を抑え込み、心にストレスを抱えている状態かもしれません。小児精神科の古荘純一さんは、そのような状態を「過剰適応」と呼んでいます。子どもの「過剰適応」に気づかずそのまま放っておくと、どのようなリスクがあるのでしょうか。親が心がけたいこととは? 古荘さんに聞きました。※<前編>「手がかからない「いい子」に見えるが、周りの空気を読みすぎて心が疲れている…子どもの「過剰適応」とは?」から続く 【表】「過剰適応」を放っておくと…? 子どもの「SOSサイン」はこちら ■子どもの「過剰適応」は10歳までの対処が大切 「過剰適応」は10歳までに親が気づいて対応しておくことが必要です。なぜなら、子どもの自己肯定感は、自分を客観視できるようになる8~10歳に下がる傾向にあるからです。また、適応しすぎる子はもともと自己肯定感が低いと考えられるため、つらさを内面に抱え込みやすいタイプの場合、将来的に心の病になるリスクがぐんと上がるのです。例えば、次のようなものです。 ・抑うつ症状/うつ病 ・摂食障害(過食症、拒食症) ・不登校・引きこもり/適応反応症 ・不安症 など ■心の病の一歩手前「SOSサイン」をチェック! 子どもの「過剰適応」の兆候を見逃し、放置し続けてしまうと、子どもは次のような「SOSサイン」を出すようになります。このような行動が見られたら、心の病にかかる一歩手前かもしれません。 ・最近、以前に比べて乱暴になった ・暴言を吐くようになった(「ばか」「死んじゃえばいい」など) ・否定的なことをよく言う(「どうせ…○○なんて」など) ・勉強に関心を示さなくなった、宿題もしない ・イライラする、かんしゃくを起こす ・口数が減った、質問しても答えない このような行動が見られたら、スクールカウンセラーや担任の先生、小児科医に相談するなど、すぐに対応する必要があるでしょう。