「仕事で手を抜くこと」は悪いことではない…”こじはる”の会社を買収した30歳アパレル社長の「仕事の本質」
■「本当に頭のいい人」が持つ能力 【澤円】少しアングルを変えてみましょう。片石さんは、本当の「頭のよさ」というのはどのような能力だと考えますか? ここまで述べられてきたイノベーティブ思考や、ビジネスセンスにもつながる部分だと思います。 【片石貴展】いわゆる「頭のよさ」というのは、求められていることを的確に理解する能力ではないでしょうか。仕事でもプライベートでも、「この人はなにを自分に聞いているのか」を理解できるということです。 瞬間的に、「いい返し」や「当意即妙な受け答え」ができるという意味ではありません。そうではなく、目の前の相手がどのような人生を歩み、どのような価値観やパーソナリティーを持っているかを掴む力があることです。そのうえで、「だからこの人はわたしのこの部分が気になるのだろう」と推測し、認識できる力があるということですね。そうした洞察の深さが、本当の「頭のよさ」なのだと思います。 【澤円】そのためには、まず相手をよく「観察」することが必要ですね。そのうえで、「自分はなにを問われているのか」「どのように見られているのか」を客観的に把握し、的確な行動をする。 ■仕事のできる人が持つ「色気」 【片石貴展】そう思います。それが「自分が積み上げてきたもの(=インプット)を活かす」ことにもつながります。自分を客観的に捉える力は、実は行動するうえでも非常に重要になると考えます。 ちなみに、外見やファッションに色気を感じさせる人がいるように、わたしは「頭のよさ」や知性も色気に近いと感じることがあります。それこそ仕事において、無駄なことをやり続けたり、主観的な意見ばかり話していたりする人に、色気なんて感じませんよね? 色気は自己満足では生まれません。なぜなら、第三者が感じるものだからです。仕事のコミュニケーションにおいても、自分を見ている人や話している人との関係において、「頭のよさ」はインタラクティブに伝わるものだと思います。