【小倉記念】機動力や馬力型のディープインパクト系が狙い目 開幕週・中京芝2000m重賞の傾向を紹介
有力馬の血統解説
・ディープモンスター 母シスタリーラヴはAW8.5F戦の加GⅢなどを制したカナダ古牝馬チャンピオンで、Traffic Judgeの5×5を中心としたパワーやスタミナが持ち味。本馬の全兄ダノンアレーはJRAダート路線で3勝を挙げています。比較的小柄な本馬は父ディープインパクトの良さが前面に出ていますが、父の産駒の中ではスタミナタイプに寄っており、中京芝2000m適性も高そう。ただ、斤量58.5kgのトップハンデを背負う不利を考えると、内前有利のトラックバイアスには乗りたいところです。 ・シリウスコルト 芝1200mの新馬戦を勝利して、今年の皐月賞でも2番手で運べるほどスピード能力に優れた馬。北米血脈主体の血統構成で、スピードで押し切るワンペースな競馬がベストでしょう。トラックバイアスは向きそうですが、血統面はもっと重厚さがほしいところ。馬場と展開をどれだけ味方につけられるかが鍵となりそうです。 ・ヴェローナシチー 父エピファネイアはサンデーサイレンス系ではないものの、桜花賞馬ステレンボッシュやダービー馬ダノンデサイルなど上半期にGⅠ馬を4頭出した日本のトップサイアーの一頭。さらに本馬はRobertoの4×7を持ち、中京芝2000mの舞台はピッタリの配合形です。今回は長期休養明けを叩いた復帰2戦目。京都新聞杯2着の重賞実績馬だけに、斤量54kgでの一変も考えられます。 ライタープロフィール 坂上明大 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
坂上明大