なぜ中村俊輔は”キングカズ”が去ったJ2降格の横浜FCに残ったのか…継承する魂と背番号「25」に込められた思い
最下位の20位でJ2へ降格したオフに早川知伸監督が退任。ヘッドコーチに就いたなかで、北海道コンサドーレ札幌の四方田ヘッドコーチが新指揮官に招聘された。 四方田監督は札幌をJ1再昇格および定着に導き、その後はヘッドコーチとして“ミシャ”の愛称で知られるミハイロ・ペトロヴィッチ監督を支え、志向された攻撃的なスタイルの薫陶を色濃く受けてきた。始動してからの日々を俊輔がこう語る。 「どういう感じのサッカーなのかとみんな構えていたら、初日からワンタッチ、ノーリターンという練習がずっと続いている。みんなそれに対応するべく、頭と身体を動かしている感じです。僕自身、敵として対戦したときのミシャさんのサッカーがすごく嫌だった。それをよく知る方が監督として来たので、すごくチャンスだと思っている。新しいスタイルに合わせつつ、自分の色を出せるのがいい選手だと思っているので」 横浜FCで40歳を超えてJ1への昇格、J2への降格を経験できた。今後のサッカー人生を考えれば、個人的にはポジティブととらえる俊輔は、ファン・サポーターを含めて、コロナ禍で横浜FCを支え続けてくれたすべての人々へ抱く思いをこう語る。 「横浜FCでもう一度プレーできる選手として、もう一度J1へ戻して、J1に定着できるチームにしていく。それが一緒に戦ってくれた人たちにできることだと思っている」 カズの情熱を引き継いだハートを静かにたぎらせながら、ボランチ、あるいはダブルシャドーの一角として、俊輔は26年目のチャレンジを加速させていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)