スノーボード・長谷川帝勝 唯一無二、4種類の5回転半 世界チャンピオンに輝く19歳
■背中を押してくれた言葉
そんな長谷川選手。選手として大きく飛躍するきっかけがありました。それは2年前。当時、けがも重なり、結果が出ない日々が続いていた時のことです。 長谷川選手 「(けがから復帰後)10割はリスクがあるから7~8割程度でやっていこうと考えていたんですけど、日本人トップをずっと走り続けてきた角野友基くんが言ってきましたね。マイナス15℃ぐらいだったけど、1時間くらい立って話を聞いていました。『それじゃすぐ終わっちまうぞ、競技人生なんてあっという間に終わるからな』『勝てるものも逃しちゃう』というのは心にきた」 ケガを恐れて、どこか守りに入っていた長谷川選手にとって目の覚める言葉でした。 長谷川選手 「『1番努力しているんだからできないわけがない』俺の背中も押してくれて」 松岡さん 「愛情があった?」 長谷川選手 「そうです。愛情のある説教だった」 松岡さん 「でもけがするし、やっぱり安全性、一つひとつだぞって…」 長谷川選手 「と思っていたけど、リスク取らずして上に行こうっていう考えは甘かったなと思って。常に攻める気持ち、挑戦する気持ちがより一層強くなりましたね」
■五輪メダリストを下し…日本人初制覇
すると、そのわずか1カ月後のワールドカップ。 長谷川選手 「そのころ自分は5回転がマックスだったんですけど、5回転絶対やると決めて」 1回目に5回転を成功!いきなり高得点をたたき出すと、続く2回目、今度は逆の足から決めました。5回転を2本そろえる攻めの滑りを見せ、見事ワールドカップ初優勝です。 さらにその2カ月後の世界選手権では、北京オリンピック銀メダリストを下し、日本人初制覇を成し遂げました。 長谷川選手 「新しい自分に出会えたっていう表現が1番合っているのかな」 松岡さん 「New帝勝?」 長谷川選手 「そうです、New帝勝ですね。スノーボードのカルチャーとしてかっこいいものは第一。そこは根底なんです。そのうえでどう勝つか。勝ちにこだわらないとやっている意味がないので、誰もがかっこいいって思うランで勝つのが一番いいです」