「激しいかゆみ、発熱も」「17万6000円でも依頼急増」…。日本で被害急増のトコジラミ、駆除のプロが証言する“本当の怖さ”とは?
2023年秋、韓国での大発生が話題となったトコジラミ。その被害は日本でも広がっている。日本ペストコントロール協会の機関誌『ペストコントロール』に掲載された「令和4年度 害虫等相談件数集計報告」によると、2009年に130件だった相談件数が、2022年には683件、約5倍になった。 【画像9枚】あなたの家にも? トコジラミがいるかはここをチェック! トコジラミは繁殖力が高く、いったん家に持ち込むと駆除しにくいと言われるが、万一自宅に現れた場合はどのように駆除したらいいのだろうか。トコジラミ専門の駆除技術を持つ株式会社ダスキン ターミニックス事業部に聞いた。
■日本におけるトコジラミ被害拡大の実態 トコジラミはカメムシの仲間で、大きさ5~8ミリ程度の害虫だ。南京虫とも呼ばれ、人や動物の血液をエサにして生きている。 【画像9枚】「こわすぎ…」「激しいかゆみ、発熱も」…。日本で被害が拡大するトコジラミ、その性質と駆除方法とは? 【閲覧注意】 夜行性で、夜寝ている人の肌を露出している部分から血を吸うことで、激しいかゆみを引き起こす。しかもこのかゆみは1週間ほど続き、人によっては発熱することもあるという。
ダスキンはこのトコジラミの駆除サービスに2013年から着手している。きっかけは、アメリカからの情報だったそうだ。同社は、米最大手の害虫駆除企業であるターミニックス社のライセンスを取得している。2010年にそのターミニックス社から、「NYの保健所にトコジラミのクレームが増えている」との情報が寄せられたのだ。 その頃、まだ日本ではほとんど被害例がなかった。だが、ダスキンのフリーダイヤルへの相談件数が年々増え、トコジラミの駆除に特化したサービスの必要性を確信したそうだ。ターミニックス社の駆除オペレーションを日本でも試したところ、効果が実証できたため、2013年の導入に至ったという。
サービスのスタートから現在まで、トコジラミに関する売上高は徐々に増加。2018年と2019年を比較すると約2.9倍に、2023年は前年比約1.5倍になったという。駆除の依頼主は宿泊施設や寮をはじめとする事業所と一般家庭が半々だ。予想以上に一般家庭に広がっているのだ。 ■海を越えてやってくる「スーパートコジラミ」 いったいなぜトコジラミの被害は拡大しているのか。ひとつには、「スーパートコジラミ」と呼ばれる、既存の殺虫剤に耐性を持つトコジラミが登場している状況がある。