「激しいかゆみ、発熱も」「17万6000円でも依頼急増」…。日本で被害急増のトコジラミ、駆除のプロが証言する“本当の怖さ”とは?
■プロによる「しらみつぶし」の駆除とは プロによるトコジラミ駆除は、どのように行われるのだろうか。過去には、害虫駆除といえば、大量に強い殺虫剤がばらまかれるのが一般的だった。 だが昨今は人への影響が考慮され、そのような方法で駆除をする業者は少なくなっている。 ダスキンでも、「人間に可能な限り害の少ない殺虫剤を、ごく少量、生息場所にピンポイントで使って退治する」という理念で駆除サービスが設計されているそうだ。実際の流れを見てみよう。
まずは、棚と壁の隙間など、生息場所になりそうな場所の徹底した調査だ。ときには、1個1個荷物を動かしたり、押入れの段ボールの中まで確認することもある。まさに「しらみつぶし」だ。 依頼者からは、「タンスを動かしてもらい、背面と下の空洞にトコジラミがいたときに、そこまで見てくれるんだ、そんなところにいるんだと驚きました。なんかその部屋でかまれると思った」といった声が寄せられている。 場所を特定したら、業務用掃除機で物理的に吸い取る。しかしそれだけでは、卵や小さな幼虫などは付着していて吸引が難しい。その対策として、次に行われるのが冷却処理だ。液化炭酸ガス(ドライアイス)をパウダー状にして噴射するのだ。卵は冷却処理により壊れたり、中身が変性して幼虫が生まれなくなる。
最後に、生息が疑わしい場所にのみ薬剤が注入される。べッドの木枠のつなぎ目や、ベッドマットの縫い目などだ。これらの隙間は巣になりやすく、駆除したタイミングにたとえトコジラミがいなくても、戻ってくる可能性があるからだ。ただ、薬剤を使用する場所はあくまで「人間の手で触れない場所」。または、シーツなどをかければ人間が触れても安全な場所に限られる。 ■炭酸ガスで窒息させる方法もある さらに、ダスキン独自のオプションメニューも。冷却処理や薬剤処理ができない大切なアイテムや、お子さんがなめる可能性があるぬいぐるみなどを、プラスチックのケースに入れ、袋で覆ってから炭酸ガスを充満させるのだ。トコジラミは二酸化炭素で窒息し、駆除される形になる。