住宅ローンを借りている銀行から、金利が「0.15%」上がるという案内が! 返済額は変わらないのになぜ?「住宅ローン特有のルール」を解説
変動金利で住宅ローンを組んでいる人のもとに、年に2回の金利改定の通知が届き始めました。 日本銀行が2024年3月にマイナス金利政策を解除した影響で、それまで安定していた金利が少しずつ動き始めているようです。しかし、「住宅ローン金利は確かに上がっているはずなのに、支払額が変わっていない……」と疑問に思う人もいるかもしれません。 この状況には、住宅ローン特有のルールが関係しています。本記事では、これらのルールを分かりやすく解説し、金利が上がったときに備えるべき、具体的な対策について紹介します。 ▼がんの発覚で「住宅ローン」がチャラに!? その驚きの理由を解説
金利上昇と返済額の関係
住宅ローン金利が0.15%上がったにもかかわらず、返済額が変わらないのは、変動金利型住宅ローンに適用される「5年ルール」と「125%ルール」という仕組みのおかげです。 このルールを採用している金融機関で住宅ローンを組んでいた場合に、適用されることになります。 ■5年ルールとは 変動金利型住宅ローンでは、金利が変動しても5年間は返済額が変わらないという仕組みがあります。 この「5年ルール」によって、金利が急に上昇しても家計への影響を抑えられるのです。そのため、金利が0.15%上がった場合でも、当面の返済額は据え置かれます。 ■125%ルールとは 5年ごとの返済額の見直しにも、返済額が従来の125%を超えないようにするという仕組みがあります。これを「125%ルール」といい、急激に支払額が増えないようになっているのです。 つまり仮に、今後さらに金利が上昇した場合であっても、前回の返済額から大きく跳ね上がることはありません。これらのルールは、変動金利型住宅ローンを利用する際の重要なポイントで、借り手にとって安心できる材料となります。 ただし、5年ルールによって返済額が据え置かれている間に金利が上昇すると、支払われなかった「未払い利息」が積み上がってしまう可能性があります。 その場合、元金の減りが遅くなりますので、結果的に支払う利息が増えることになるのです。以上のルールについては、しっかり理解しておくと安心です。