御朱印は城にあり!平戸城内にたたずむ神社 その歴史と文化を守る人々の思い【平戸市・亀岡神社】
平戸神楽 400年の伝統を伝える
亀岡神社の境内には、平戸神楽の創始者である橘光義の顕彰碑がある。平戸出身の橘光義は、江戸時代前期の神道家で松浦氏の命により諸国を巡り平戸神楽を創り出したと伝えられている。下条斉昭禰宜は「400年ちょっと前に、お殿様の命で、橘光義さんが各地を点々として神楽または歌をしっかりと勉強して、色んな地域の良いところ、平戸の特色、併せ持って平戸神楽全24番を作った方とされている」と話す。 松浦家の殿様が領地を治めるだけでなく、平戸の町を愛し、文化の発展にも力を注いでいたことが分かる。そして、その文化は現在も大切に受け継がれている。 境内には平戸神楽を継承・伝承するため、神楽を舞うためだけに作られたという「神楽殿」がある。これは、平戸の人々が伝統文化を大切に守り、次世代に継承しようとする強い意志を感じさせる。下条斉昭禰宜は「先代の方々が築き上げてきたものの中で、私たちが引き継いでいるものを次の代、その次の代にしっかり残していかないといけないなと責任を感じている」と語る。
御朱印に刻まれた平戸の象徴
参拝を終えると、最後に御朱印をいただく。 亀岡神社の御朱印には平戸城、平戸大橋、そして松浦氏の家紋「三星」の紋。これらは全て、平戸の歴史と文化を象徴するものだ。1枚の御朱印に、平戸の誇りが凝縮されているのだ。 亀岡神社を訪れると、松浦家の存在を強く感じずにはいられない。さんぽを終えた大原さんは「この地を治めてきた方が文化を広めて、ただ治めるだけじゃなかったんだなということを学ぶことができた」と城主の郷土愛を感じる時間だったようだ。 松浦家の思い、地域の人々の協力、そして伝統を守り継ぐ現代の人々の努力が亀岡神社を守り続けている。 大原由軌子さんのプロフィール 長崎県佐世保市出身。パニック障害+神経症持ちの夫との日々を描いた『大原さんちのダンナさん このごろ少し神経症』で漫画家デビュー。著書に思春期の問題をテーマとした『大原さんちの不登校』などがある。 (テレビ長崎)
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