第2次トランプ政権で世界はどう変わる?〝トリプルレッド〟がもたらす中国との貿易摩擦と「台湾問題」【親子で語る国際問題】
台湾問題に関心のないトランプ氏
また、台湾問題も見逃せません。台湾では5月に頼清徳氏が新総統に就任しましたが、頼氏が「台湾は中国に隷属しない」などと発言していることに中国は強く反発し、台湾を取り囲むような大規模な軍事演習を2回実施。中台関係は冷え込みの一途を辿っています。 トランプ氏はバイデン大統領ほど台湾問題に関心がないと思われ、台湾はもっと貿易費を支払うべき、台湾が米国の半導体産業を奪ったなどと発言しており、第2次トランプ政権が台湾軽視の姿勢に転じる可能性も排除できません。そうなれば、中国はその隙を突いて台湾に対する軍事的圧力をいっそう強める可能性があります。
この記事のポイント
①トランプ氏率いる共和党が多数を占め、トランプ氏にとってやりやすい政治環境になる見込み ②現在、重要ポストには、対中強硬派の人物が就くと予測されており、中国との貿易摩擦が懸念される ③トランプ氏が台湾軽視の姿勢に転じると、その隙に中国が台湾への軍事圧力を高める可能性がある 【記事執筆/国際政治先生】 国際政治学者として米中対立やグローバスサウスの研究に取り組む。大学で教鞭に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。
文・構成/HugKum編集部