手口を全暴露!これが腐敗で焼け太りする「トランプ流関税悪用術」だ
蠢(うごめ)く富豪たち
首席補佐官の指名を受けてから4日後、ワイルズはラスベガスの5つ星ホテル、フォーシーズンズに姿を現した。秘密主義の富裕なテクノロジー企業幹部とその支援者たちによる秋の集まり、「ロックブリッジ・ネットワーク」の会合に招かれたのである。 同グループは、5年前に「トランプ2.0」のもとで副大統領に就任するJ・D・ヴァンスによって共同設立された。非公式なディナー会から発足し、2019年以降、強力な共和党寄付者連合に成長した。 NYTによると、この会合の歓迎ディナーで、ドナルド・トランプ・ジュニアは、ベンチャー・キャピタルへの参入を明らかにした。その一方で、トランプが保健福祉長官に指名する数日前だったロバート・ケネディ・ジュニアは、自身の公衆衛生に関する取り組みについて大いに語った。そして、ワイルズは「2024年選挙分析」のセッションを主導し、トランプが大統領就任後、最初の数日間に何を成し遂げるかについてその見通しをのべたのである。 このグループは当初、共和党の献金者一族として知られるマーサー家の令嬢であるレベッカ・マーサーや、ベンチャー・キャピタリストのピーター・ティールから最初の資金援助を受けた。最終的にはトランプの関心を引き、トランプは何度か会合でスピーチを行ったこともある。 秋と春に1回ずつ、フロリダ州パームビーチのフォーシーズンズやダラスのリッツカールトンといった場所で、政治に関するパネルディスカッションやビジネスネットワーキングの3日間のイベントが開催されるようになった。スピーカーには、タッカー・カールソン(元FOXニュースの政治コメンテーター)、ピーター・ティールの弟子であるブレイク・マスターズ、カジノ王のスティーブ・ウィン、投資家のデビッド・サックス、そしてニューヨーク・ジェッツのオーナーで億万長者のウディ・ジョンソンなどがいた。 ヴァンスが2022年にオハイオ州の上院議員選挙で勝利し、さらに今年の大統領選の候補者にまで昇り詰めたことで、ロックブリッジ・グループもまた勢いを増している。NYTが入手した目論見書によると、ロックブリッジの会員権の費用は、「リミテッド・パートナー」で10万ドルから、「プリンシパル・パートナー」で100万ドルとなっている。 興味深いのは、NYTがこれまでの共和党寄付者グループと異なるロックブリッジに注目している点である。トランプは、「リバタリアン系のコーク・ネットワーク(億万長者の実業家、チャールズ・G・コークとデビッド・H・コークによって設立)や、タカ派のアメリカン・オポチュニティ・アライアンス(シカゴ・カブスのオーナーであるリケット家の一族や、投資家のポール・シンガー、ケネス・グリフィンを含む富裕な寄付者グループによって10年前に設立)など、従来の共和党寄付者グループとは、時として冷ややかな関係にある」からである(NYTを参照)。大統領選期間中、「ロックブリッジはトランプの支援のために約3000人のスタッフを動員した」とも書いている。 こうした富豪が蠢くなかで、「トランプ2.0」が船出するのである。