バイデン米大統領、次男ハンター氏に恩赦 退任前に方針一転
[ワシントン 1日 ロイター] - バイデン米大統領は1日、銃の不法購入・所持で有罪評決を受け、税務不正で罪を認めた次男ハンター氏に恩赦を与えたと発表した。 声明で「本日、息子ハンターの恩赦に署名した」と明らかにした。「就任以降、私は司法省の意思決定に干渉しないと表明し、息子が選択的、そして不当に起訴されるのを目にしながらも、その約束を守った」とした上で、「父親として、大統領としてこの決定に至った理由を米国民が理解してくれることを願う」と述べた。 ホワイトハウスはバイデン大統領がハンター氏に恩赦を与える可能性を繰り返し否定していた。 バイデン氏は「分別のある人が事件の事実を見れば、ハンターが標的にされたのは私の息子だからという以外の結論には達しないだろう」とし、政敵がハンター氏を標的にすることで「私に圧力をかけようとした」と主張した。 ハンター氏は有罪評決を受けた銃の不法購入・所持に関する裁判で今月4日、罪を認めた税務不正については同16日に量刑言い渡しが予定されていた。 ハンター氏は2014年1月1日から24年12月1日までの期間において犯した罪について、「完全かつ無条件に」恩赦が与えられる。 有罪評決を受けた銃の不法購入・所持では、ハンター氏は薬物依存を隠して銃を購入。現在では5年以上、薬物を使用していないという。 ハンター氏は1日発表した声明文で「依存が深刻だった時期に犯した過ちが、政治的な動機のために私と私の家族を辱め、恥をかかせるために利用された」と主張。「依存症の苦しみの中で、私は多くのチャンスを無駄にした。今日与えられた恩赦を当然とは思わず、私が取り戻した人生を、依存に苦しんでいる人々を助けることに捧げる」と誓った。 共和党はバイデン大統領の措置を批判。トランプ次期大統領は交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に「ジョー(・バイデン大統領)がハンターに与えた恩赦には、21年1月6日の連邦議会襲撃事件で投獄された人々も含まれるのか?司法の乱用だ!」と投稿した。