ADHDの子どもが起こしがちな、友達とのトラブルに親が入ってはいけない!? ペアレンティングの三大原則
困った行動はなぜ? 誰に相談する? 治療すればよくなる? この先どうなる? イラスト図解で基礎からわかるADHD入門書『ADHDがわかる本 正しく理解するための入門書』より、連載形式でADHDの「今」をご紹介します。 叱らずに導く“ペアレンティング”をご紹介! 今回はADHDの子どもに起きがちなトラブルをピックアップ。対処法とペアレンテイングの三大原則を解説。 【前編】ADHDの子を持つ親は「子どものセラピスト」になろう――叱らずに導く“ペアレンティング”をご紹介!
友だちとトラブルになったら…?
友だちとのトラブルが続くと、いじめの対象になることもあります。親はトラブルになりやすい相手を把握しておき、いっしょに遊ぶときには、できるだけ親が近くで見守ることも必要でしょう。 友だちとのトラブルが起こりやすいのは、「がまんが足りない」からではありません。いったん興奮すると、自分で感情や行動をコントロールすることができないのです。そのため、「がまんしなさい」と言い聞かせても、トラブルを回避することはできません。人づきあいの基本的なルールを教えて、くり返し実践し、身につけていくことが大切です。 感情や行動をコントロールする訓練法として「5秒ルール」があります。カッとなったら5つ数えさせて、衝動的な言動を抑える方法です。別室でクールダウンさせる「タイムアウト」も有効です。 ■ブレーキがきかない特性を理解する そのときの気持ちをすぐに行動に移してしまうという特性があります。悪気はないものの、トラブルにつながることがよくあります。 ・興奮するとブレーキがきかなくなり、衝動的に行動する特性 ・相手を怒らせることばや行動に気づけない ↓ GOOD)ペアレンティング ・仲よく遊ぶルールを決める ・「 タイムアウト」でクールダウンさせる ・ルールに従ってペナルティを与える NG) ・間に入って感情的に叱る ・原因をはっきりさせずに一方的に叱る ■仲よく遊ばせるペアレンティング 遊びの前に「ケンカはしない」と約束をし、ケンカになったらどうするかを決めておきます。仲よく遊べたときはほめることも忘れないようにしましょう。 ・どんなことばが相手を怒らせるか教えておく 「バカ、アホ、じゃま、うざい、きもい、ちび、デブ、死ね」などのことばは、相手を傷つけ、怒らせることを事前に教えておく ・ケンカにならないか観察する 親はしばらく様子をみる(無視する)→ケンカにならなかった場合はほめ、ケンカになった場合はルールに従ってペナルティを与える