ガザで283遺体を掘り起こし 仮埋葬されたナセル病院で
ガザ、パレスチナ自治区、4月23日 (AP) ― パレスチナ民間防衛局は4月22日、パレスチナ自治区ガザ南部のハーンユニスにある病院敷地内の仮埋葬場所から、300体近い遺体を掘り起こした。 イスラエル軍は昨年12月、ガザ地区を実効支配するイスラム武装組織ハマス攻撃のため、ハーンユニスに侵攻。ナセル病院一帯は今年の1月から2月にかけて、集中的な砲爆撃の標的となっていた。 同病院敷地内の仮埋葬場所は、先月まで同地を占領していたイスラエル軍が包囲していた時期に造成されたもの。当時ガザの住民は死者を墓地に埋葬できなかったため、一時的な措置として、病院の敷地内に仮の墓所を造成して、家族の遺体を埋葬した。 民間防衛局によると、ハマスに拘束されていた人質が死者の中に含まれているかどうかを調べるために、イスラエル軍が遺体を掘り起こしてDNA鑑定を行ったようだという。 イスラエル国防軍は、病院から数十体の遺体を運び出し、国内でDNA鑑定を行った後、一か所に再び埋葬したと説明している。 遺体のほとんどは、先月のナセル病院包囲戦の最中に死亡したと見られるが、イスラエル軍が病院を攻撃した際に死亡したパレスチナ人もいるようだ。 4月初旬にイスラエル軍がハーンユニスから撤退したあと、死者を別の墓地に埋めようと、住民が遺体を探しに当地に戻ってきた。 民間防衛局職員は、19日から22日までの間に、合計283体の遺体を掘り起こした。 国際赤十字は支援として、民間防衛局に1500人分の遺体袋と防護服を提供した。 (日本語翻訳・編集 アフロ)