東海道新幹線「60周年CM」はどうやって作られたか JR東海が明かした企画から完成までの一部始終
その後継CMといえる、恋人たちの遠距離恋愛を映す「クリスマス・エクスプレス」は、さらに人気を博した。毎年変わる魅力的な映像に、冬が待ち遠しい人も多かったはずだ。今もなお、CM界のクリスマスの神話として語り継がれている。 打って変わって、家族愛を描写している映像で、夏休みシーズンを意識した「ハックルべリー・エクスプレス」をご存じの方もいるであろう。2人の少年が、田舎のお爺ちゃん、お婆ちゃんに会いにいく。という内容で、「また来たよ~!」という少年の声とともに、日本の夏の風景が映し出される。美しく演出された映像は、本当に心奪われるものだ。
また300系「のぞみ」登場時のCMも、子供たちのワクワクドキドキ感、東海道新幹線が大好き! という想いがあふれていて、人気があった。 長い年月にわたり、時代とともにさまざまな人々が出会いと別れを繰り返し、経験と思い出を乗せてひた走る東海道新幹線。多くの日本人にとって、日本の誇りと言えよう。そしてその思いは、日本人から世界の人々にも伝わるようになった。 今後、こういった募集型コマーシャルを製作するときは、国内のみならず、世界中を巻き込んでほしい。なぜなら東海道新幹線は、多くの訪日客が利用しており、今や日本国内を走行する“国際列車”だといえるからだ。
渡部 史絵 :鉄道ジャーナリスト