東海道新幹線「60周年CM」はどうやって作られたか JR東海が明かした企画から完成までの一部始終
「60年分の会いにいこう」CM楽曲の「会いにいこう」のメイキング(合奏)では、現役で働く駅員や車掌、運転士、車両の検査や修理、電気やレールのメンテナンス・保線など、さまざまな部門がメンバーの「JR東海音楽クラブ」が生き生きと演奏する姿が見られる。さらには、同社の丹羽俊介社長まで演奏・出演しているのには驚きだ。 その映像は、同社のユーチューブ公式チャンネルにも掲載があり、11月25日時点で、「60年分の会いにいこう」CM120秒版が、568万回、30秒版が1309万回、メイキング(合奏)が258万回の再生となっており、非常に多くの人が見ていることがわかる。
――JR東海音楽クラブのCM参加理由は? 「JR東海音楽クラブは、JR東海のさまざまな職に就くメンバーで構成されており、これまでの60年間の感謝の気持ちを込めて演奏する奏者として、最も適していると考えたため、今回のCMに起用しました」 ――メンバーの感想・反響などは? 「クラブのメンバーからは、『普段はリニア・鉄道館や野球応援などの会社行事で演奏しているが、今回は全国的に放映されるCMの録音という、とても貴重な経験をさせていただき、クラブ員一同感謝している。CM放映、メイキング動画公開後は、社内外の多くの方々からお声掛けいただくなど、反響の大きさに驚いている。今後とも、皆様に喜んでいただける演奏を心がけて精進していく』との感想がありました」
■世界中から募集してはどうか JR東海の過去のCM代表格として思い浮かぶのは、1987年と1992年に放送された「シンデレラ・エクスプレス」だろう。遠距離恋愛中の恋人たちが週末を一緒に過ごし、日曜の最終新幹線で再び離れ離れになる。その発車間際に、新幹線ホームで2人の時間を惜しむシーンが、ドラマチックに演出されていた。このCMは、たちまち当時の若者の心を掴み、社会現象にまで発展したと言われている。 1987年当時、最終列車(ひかり289号)は0系車両が使用されていたが、CMの反響が非常に大きかったためか、8月16日から日曜日に限って映像と同じ最新鋭の100系車両に運用が変更され、のちに毎日100系で運行するなど、CMを発信したJR東海自体にも、大きな影響が出るほどだった。