「胃がん」の新たな発生メカニズム解明! “バナナ”の成分が治療薬に!? 世界初の研究発表
研究グループが発表した内容への受け止めは?
編集部: 東京大学らの研究グループが発表した内容についての受け止めを教えてください。 中路先生: 従来、胃がんの1割程度に胃粘液産生に関わるMUC6遺伝子の変異がみられることは知られていました。本研究で特記すべきは、MUC6ノックアウトマウスを用いて、MUC6が失われることによって胃がんが自然発生することを発見した点です。また、臨床応用として、身近な果物であるバナナ由来の薬物複合体が治療に有効である可能性まで言及した点であると考えます。
編集部まとめ
東京大学らの研究グループは、「ムチンの一種であるMUC6が失われることが、直接胃がんの発生を引き起こす」と発表しました。さらには治療標的として、異常糖鎖に着目したバナナ由来レクチン薬物複合体が提案もおこなわれたことで、今後も注目を集める研究になりそうです。
【この記事の監修医師】
中路 幸之助 先生(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター) 1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。