死闘制し全勝Vの早大、元サッカー部の佐藤健次主将の相手防御裏への絶妙キックパスが勝ち越しトライ呼ぶ「自分でびっくりするくらいうまく蹴れた」【関東大学ラグビー対抗戦】
◇1日 関東大学ラグビー対抗戦 早大27―24明大(国立競技場) 早大が対抗戦6年ぶり24度目の優勝を飾った。早大の全勝優勝は五郎丸歩さんが4年生だった2007年以来17年ぶり。明大は5勝2敗で3位となった。2位は帝京大。学生日本一を決める大学選手権に早大は21日の準々決勝、明大は14日の3回戦から登場する。 ◆当時から頑健プレー…早大時代の五郎丸【写真】 試合前、笑みを浮かべていたキャプテンは、試合が終わった瞬間、熱い涙を流していた。 「今まで苦しんだ場面が本当に頭に浮かんで…長田さん、(相良)昌彦さん、(伊藤)大祐さん…成長させてくれた先輩キャプテンたちの顔も浮かんだし、試合に出られない部員たちの思いも頭をよぎりました」 100回目の早明戦を勝利に導いたのは、赤黒ジャージーの背番号2を着た佐藤健次主将(4年・桐蔭学園)だった。前半13分に左隅のスペースに走り込んで先制トライを、明大に逆転された後半17分にはモールで同点トライを決め、さらに21分だ。ハーフウエー付近の混戦でボールを奪うと、佐藤は意表を突いて相手防御の裏へキック。 「(矢崎)由高が『裏が空いてる』とコールしてくれたんです。元サッカー部なんですが、自分でびっくりするくらいうまく蹴れた(笑)」 これでゴール前に攻め込んだ早大は、8フェイズを重ね、矢崎が相手タックルを突き抜け、勝ち越しトライを決める。 そのたびに見せる笑顔がチームメートを勇気づけた。佐藤主将の魅力は明るさだ。終盤、3点差に迫られた場面でも「面白くなったな」と笑顔で仲間に声をかけ続けた。 「でも、目標は大学選手権優勝です」と佐藤は喜びを封印する。次のターゲットはシーズン全勝での学生日本一。その高みを目指し、笑顔の戦いは続く。
中日スポーツ