東京五輪空手女子形銀、清水希容が現役最後の演武「空手家として、生涯かけて空手と付き合っていく」
2021年の東京五輪空手女子形で銀メダルを獲得し、今月13日に現役引退を発表した清水希容(きよう)=ミキハウス=が19日、兵庫・尼崎市内で行われた全日本実業団空手道連盟の第4回西日本地区大会で特別演武を披露。現役最後の形で競技生活に別れを告げると、終了後の会見では「正直すごく緊張しました」と笑みを浮かべた。 引退のきっかけは両膝のケガの影響が大きかったといい「東京五輪前から膝のケガに悩んでいて、昨年の頭には日常生活も苦しいぐらい、歩くのもしんどいぐらい悪化していた」と明かした。競技からは一線を引く一方「空手家としてやっていくと決めたからには、生涯かけて、死ぬまで空手と付き合って毎日稽古すると思います」と清水。今後は普及や指導者としての活動にも意欲を示した。 「世界一美しい」と評される演武で世界選手権を2度制し、全日本選手権は13年から7連覇。「他の大会とは比べものにならないぐらいすごい舞台だった」という東京五輪ではわずかに頂点には届かなかったが、長年にわたり空手界をけん引した。 「形の選手で良かったとしか思っていません。日常生活では出せない感情、自分の気持ちを形に込めてやっていくのが私にすごく合っていた。形でなければここまでできなかったし、対人競技なら心が折れていたと思う。これから生涯かけて自分の納得いく演舞ができるか、楽しみにしています」。空手家としての再出発へ、晴れやかな表情で胸中を語った。
報知新聞社