「駅伝は先手必勝が鉄則ですが」国学院大・前田監督 箱根駅伝初優勝への戦略「強み」を明かす
第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)に出場する21チームの登録メンバー各16人が10日、発表された。初優勝と史上6校目の3冠を狙う国学院大はエース平林清澄(4年)をはじめ出雲駅伝(10月)、全日本大学駅伝(11月)の優勝メンバーが順当にメンバー入り。前田康弘監督(46)は「復路勝負に持ち込みたい」と戦略を明かした。2年連続8度目の優勝を目指す青学大の原晋監督(57)は「あいたいね大作戦」を発令。駒大も含め3強の激しい争いが予想される。10区間のエントリーは29日に決まる。 ズバリ、目標順位は!? 前回の上位5校の監督が出席する箱根駅伝トークバトルの恒例の質問で、国学院大の前田監督は堂々と「優勝!」と書き込んだ。青学大の原監督、駒大の藤田監督も「優勝」と記した。「5区は平林で勝負します。平林は2区かもしれません」と前田監督がはぐらかすように話すと、原監督は「マジですか!?」と笑顔で突っ込んだ。3強によるバトルは本番の3週間前に早くも熱気を帯びた。 国学院大は6区間の出雲、8区間の全日本を快勝。前田監督は10区間の箱根では、さらに自信を持つ。「駅伝は先手必勝が鉄則ですが、往路で粘り、復路勝負に持ち込みたい」。前田監督は箱根路初制覇への戦略の一端を明かした。 出雲では駒大のエース・篠原倖太朗(4年)に競り勝ったアンカー・平林の快走が目立つが、つなぎ区間の4区で野中恒亨(2年)、5区で上原琉翔(3年)が連続区間賞で勝利を引き寄せた。全日本でも4区終了時点で首位の青学大と危険水域ぎりぎりの1分27秒差まで開いたが、つなぎ区間の5区の野中が区間賞、6区の山本歩夢(4年)が区間新記録で青学大に4秒差に迫り、最終8区の逆転優勝につなげた。 箱根路でも後半に勝負をかける。「青学大の方がエース級の枚数は多い」と前田監督は、各校の主力選手が走る往路では太田、黒田朝日(3年)、鶴川正也(4年)という3人の学生トップレベルを擁する青学大の実力を認める。その上で「復路のつなぎ区間にも強い選手がいることが国学院大の強みです。復路のどこかで先頭に立ちたい。7区か、あるいは、もっと後かもしれませんが」と逆転に自信を見せた。 「箱根駅伝総合優勝」。力強い文字で書かれたチーム目標は選手寮の食堂の一番目立つ場所に貼られている。「ここまで2つ勝ちましたが、箱根を勝たない限り、勝ったとは言えません」と、エースで主将の平林は熱く語る。国学院大は総力を結集し、東京―箱根間を往復する。(竹内 達朗) ◆復路の逆転優勝 過去100回で往路優勝したチームは68回、そのまま総合優勝した。つまり、復路での逆転優勝は32回。確率は32パーセント。最近10回では3回、復路で逆転優勝。直近では21年大会で往路優勝した創価大を駒大が10区で逆転し、総合優勝した。
報知新聞社