2枚リベロの鉄壁レシーブから狙うは「センターコート」福岡工大城東がダルマに刻むモットーは【春高バレー・女子】
「あの日があったから」選手が声をそろえる敗戦
柚木や藤木ら選手たちが「あの日があったから、今のチームがある」と声をそろえるのが、23年秋の春高県予選。誠修との準々決勝で敗退し、悔し涙に暮れた。「福岡で二度と負けない」と誓いを立て、24年度は新人戦、インターハイ予選、そして春高予選の「県内3冠」を達成した。年間で三つある九州大会のうち二つが全国区の強豪で「東龍(とうりゅう)」こと東九州龍谷(大分)に敗れての準優勝。6月の全九州大会では東龍を破り、初の「九州女王」に輝いた。 「同じ九州で大きな目標でもある東龍さんが(夏の)インターハイで四つ(4強)に残りました。そこで私たちの全国での現在地といいますか、力的には八つから…そうですね、四つにかけてのポテンシャルを持っているのかなと」。葛西監督が口にした「四つ」に力がこもった。春高で四つ、つまり4強入りするには4勝が必要となる。しかも福岡工大城東のゾーンには前回覇者で、今秋の国民スポーツ大会(国スポ)を単独チームで制した就実(岡山)がいる。就実にはインターハイの3回戦で対戦し、セットカウント0―2(17―25、22―25)でストレート負けを喫した。仮に両者が勝ち上がれば再戦の舞台は準々決勝。「就実さんには1年のインターハイでも負けているので、最後は勝ちたい」。エースの和田が雪辱を誓った。 福岡大大濠出身の葛西監督は同校が春高初出場でベスト4入りした1996年3月、当時1年生でコートに立った。「ユニホームを着させていただき、コートにも立ちました。最後は優勝した鎮西(熊本)に負けましたが、センターコートからの景色、声援は忘れられません。生きていく上で私の財産、宝物になっています。あの幸せな経験を彼女たちにもさせてあげたい。そこに立てるだけの可能性も持っています」。葛西監督が言い切った。培ってきた戦力と気力を信じ、3度目の春高で「城東旋風」を吹かせる。(西口憲一) 【#OTTOバレー情報】
西日本新聞社