2枚リベロの鉄壁レシーブから狙うは「センターコート」福岡工大城東がダルマに刻むモットーは【春高バレー・女子】
2大会ぶり3度目出場
バレーボールの全日本高校選手権(春高バレー)が来年1月5日に東京体育館で開幕する。女子で2大会ぶり3度目出場の福岡工大城東は1回戦で城南(徳島)と対戦する。過去の大会(2018年度と22年度)は初戦敗退。葛西廣紀監督(45)は「城東史上最強」と自信を持つ攻撃力を生かすために、リベロを2人体制にして福岡県予選を突破した。今夏の全国総体(インターハイ)で16強入りしたチームは春高初勝利だけでなく、準決勝から使用するメインアリーナ中央のセンターコートでの躍動も視野に入れている。 東九州龍谷高の忠願寺風來がAstemoリヴァーレ茨城加入
部員24人の「心」担う2人のキャプテン
練習を見守るダルマには、福岡工大城東のモットー「心なき者に栄光なし」が刻まれている。手にするのは2人の3年生。チームキャプテンの柚木菜摘(ゆのき・なつみ)とゲームキャプテンの藤木七々夏(ななか)だ。「2人はうちの精神的支柱です。チームに安心感をもたらしてくれます」と、葛西監督も全幅の信頼を寄せる。いわば部員24人の「心」でもある。 ポジションはともに守備専門のリベロ。相手チームからのサーブをレシーブする「レセプション」を担うのが藤木で、サーブ以外のアタックを受ける「ディグ」を任されるのが柚木。このリベロ2枚体制が確立したのは春高の出場権が懸かった今秋の県予選だった。 これまでアタッカーだった藤木のリベロへの転向を決断したのは、優れたレシーブ力を生かして隙の無い守備を構築したいとの葛西監督の思いがあった。「城東の歴史の中で一番のレフト対角」と自信を持つ和田実久(3年)と井上咲希(2年)の両アウトサイドヒッターにミドルブロッカーの青田優衣(3年)を加えたオフェンス力は高い。県内でライバル関係にあり、フルセットにもつれ込んだ福岡女学院との決勝(5セット)では、チームのアタックでの80得点のうち3人で計61得点。その陰で安定したサーブレシーブ、ブロックとレシーブの好連係による堅い守備やつなぎが、ポイントゲッターたちの活躍を下支えした。