創業90周年、新ブランドのボトルデザイン「N」で愉しみ方、多様に ニッカウヰスキー・為定一智社長「新世代のファンが増えている」
【トップ直撃】 今年創業90周年を迎えたニッカウヰスキーは4年ぶりに新ブランド「ニッカ フロンティア」を発売し、順調な滑り出しを見せている。新たなコミュニケーション・コンセプトは「生きるを愉(たの)しむウイスキー」。ウイスキーの多様な楽しみ方を通して人生を楽しんでほしいという思いを込めた。為定一智(ためさだ・かずとも)社長(57)は「新世代のウイスキーファンが増えている。今後もさまざまなニーズに応えていく」と話す。 ■創業者の魂をストレートに ――ウイスキー市場が拡大しています 「ニッカウヰスキーの洋酒事業は、約10年前の2013年と比較して約2倍の規模に成長しました。需要が高まる国産ウイスキーをこの先も安定的に供給できるよう、今年は約60億円かけて設備投資しました。栃木工場(栃木県さくら市)に樽貯蔵庫を新設し、余市蒸溜所(北海道余市町)と宮城峡蒸溜所(宮城県仙台市)では新たな貯蔵庫の設計に着手して樽を購入します」 ――若者にウイスキーが飲まれています 「ウイスキーの消費量は1980年ごろをピークに下火傾向となり、2000年代に入ったころはピーク時の半分以下となりウイスキー離れが進みました。この状況を何とかしたい、若者にもウイスキーを飲んでほしいと、ウイスキーを炭酸水で割ったハイボールを提案したのが若者をはじめ中高年の間でも定着しました」 ――2014年に放映されたNHK連続テレビ小説「マッサン」の人気も影響しました 「『マッサン』のモデルは、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝です。大正時代に国産ウイスキー造りに情念を燃やした造り酒屋の跡取り息子の奮闘記はまたたく間に人気番組となり、ウイスキーの人気も高まり、生産が追いつかないほどでした」 ――新ブランド「ニッカ フロンティア」発売の背景は 「創業90周年を機に再度、原点を見直し、創業者のフロンティアスピリットを継承していくという決意を込めて開発しました。特徴は、蒸溜所のモルト原酒をキーモルトに使用し、スモーキーな味わいがすることです。ボトルデザインは、企業ロゴ『NIKKA WHISKY』と同じ書体の『N』を中央に大きく配置しました」 ■海外の販路にも割って入る