「表面はサクッと、中はふわっ」天ぷらを上手に揚げる8つの秘訣 京都の老舗料亭が教える失敗しない方法
コツをおさえて作ってみよう 近又のてんぷら
【材料(2人分)】 えび(殻付き)……4尾 かぼちゃ……60g しいたけ……2枚 揚げ油……適量 小麦粉……60~65g 冷水……125ml 卵黄……1/3個分 【下準備】 ボウル、水、小麦粉、卵黄は冷蔵庫で冷やしておく。 【1】衣を作る 小麦粉を粉ふるい、またはザルでふるう。 別のボウルに冷水を入れ、卵黄を加えて泡立たないように混ぜる。ふるった小麦粉を少し加えたら数本の菜箸の太い部分を使ってたたくように小麦粉を液体に沈めながらなじませる。粉っぽさがなくなったら再度少量の小麦粉を入れ、同じ作業を繰り返す。決してぐるぐるとかき混ぜないこと。かき混ぜすぎるとグルテンが生まれて衣が粘ってしまう。ある程度合わさったら手でダマをつぶす。 【2】えびの下処理をする えびは尾の部分を残し、殻をむいて背ワタを取る。尾の先を斜めに切り落としたら尾を開いて包丁の先で汚れをこそげ取る。 腹の面に約1cm間隔で切り込みを入れ、切り込みを入れた面を下にして、身をまな板にプチプチと音がするまで押しあて、筋を切り離す。こうすることで、揚げたときに身が反らない。 【3】野菜の下処理をする しいたけは軸を切り落とし、傘の表面に花柄に化粧包丁を入れる。かぼちゃは種を取り除いて5mm幅に切る。 【4】衣をつけて揚げる 揚げ油を170℃の中温に熱し、先に野菜を【1】の衣にくぐらせて約3分揚げる。しいたけは頭の部分を下にして油に入れると衣がとれにくい。泡の音が小さくなって具が上に浮いてきたらしっかりと油をきりながら引き上げる。 次にえびを180℃の高温で同様に揚げる。 ※次の具材を揚げる前に、油の温度を確認する。衣は思っている以上に薄いのでたっぷりつける。油を入れれば余分な衣は逃げて天かすに。 【仕上げ】 塩またはてんつゆと大根おろしで食べる。 鵜飼治二(ウカイハルジ) 「近又」主人・七代目又八。「近又」は享和元年(1801年)、近江の薬商人のための旅館として創業。七代目又八・鵜飼治二により、懐石料理の料亭と1日2組のみ宿泊できる料理旅館に変わる。創業当初から大切に受け継がれてきた味と真心を軸にした、繊細かつ伝統的な味と温かいもてなしに、日本だけでなく海外からのファンも多い。錦市場にほど近い、風情ある町屋造りの建物は、2001年3月、文化庁より「登録有形文化財」に登録されている。「だし」を大切にした和食の味を絶やしたくないと、食育にも力を注ぐ。また小中学校・大学での講師、全国各地への講演活動も務める。著書に『京懐石・近又』(光村推古書院)がある。 鵜飼治二(「近又」主人・七代目又八) 協力:新星出版社 Fun-Life! Book Bang編集部 新潮社
新潮社