まさに「国辱外交」石破首相、APECで非礼連発 習主席には握手で籠絡され 日米首脳会談も不透明、安倍氏の「政敵」とトランプ氏は理解
安全保障の最前線では、自由民主主義陣営の一員として協力強化が進んでいるのに、肝心の首相が米中の間でフラフラしている。残念ながら、それが日本の現状である。
南米からの帰途に計画していたドナルド・トランプ次期米大統領との首脳会談は、「大統領就任前は、どの首脳とも会わない」という先方の理由で実現しなかった。だが、米国は日中会談で石破首相が「中国に絡め取られつつある」様子を目撃している。
トランプ氏は、石破首相が自分の盟友だった安倍晋三元首相の「政敵」だったことも理解している。もともと信頼できないうえ、石破首相は「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」や「日米地位協定の改定」などを唱えた。米国からすれば噴飯ものだ。
永田町では、「石破政権は来年3月まで。予算案が成立すれば、『石破おろし』が始まる」という観測もある。
これでは、来年1月の大統領就任後に予定される日米首脳会談もどうなるか、分からない。米国とすれば、いつ政権が倒れるか分からない首相に会ったところで意味はないからだ。日米首脳会談は「時期を含めて不透明感が増した」と言わざるを得ない。
■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア―本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。