【バレー】春高バレー26年ぶりの出場を決めた進学校:高崎高(男子) ただひとりの3年生、幾多の思いを胸に臨むキャプテン岩井将人
高崎高は福田赳夫、中曽根康弘両元首相を輩出し、東大・京大を含む国公立大や有名私大に毎年、多くの合格者を出す名門校。両氏とも群馬県出身で、現在も地元・群馬県で生まれ育った生徒が多くを占めており、尊敬の念と親しみを込めて、“たかたか”という愛称でも知られる。 【春高男子トーナメント表】 2024年のインターハイは、樋口裕希(VC長野)を擁した2014年以来、10年ぶり6回目の出場を果たした。ゲームキャプテンでエースの岩井将人を軸に、粘り強くつなぐバレーは持ち味を発揮したが、予選グループ戦の初戦で多度津高(香川)にフルセットで敗れると、続く敗者復活戦も大垣日大高(岐阜)に対して第1セットを先取しながら逆転負けを喫し、決勝トーナメント進出はならなかった。 進学校だけに、夏が終わると同時に3年生の多くは大学受験に備えるため部活を引退する。しかし、前出の岩井は3年生としてはただひとり、冬を目指すことを決意した。 「自分が1年生の頃は、全国大会出場どころか、まずは県予選の決勝へ行くことが目標でした。今年、インターハイに出場することはできましたが、負けたことがほんとうに悔しくて、あらためて“全国で勝つ”ことを目標にしました。そこから、下級生主体のメンバーとなっても、みんなもっと上を見るようになり、今の自分に満足せず練習を重ねてきたことが春高出場につながったと思います」
岩井の心意気に胸を熱くした後輩たちも、“下級生だから”といった言い訳などいっさいなしに、全力で日々の勉強と部活の両立に励んできた。 メンバーで最もサイズがある(身長188㎝)ミドルブロッカーの櫻井雪村(2年)は、「1年生はみんな上手で、モチベーションもすごく高いので、岩井さんの存在と1年生のやる気に引っ張られて、自分たちも頑張れている気がします」と率直に語る。 櫻井とツインタワーを形成する松本健吾(185㎝、2年)は、「勉強も部活も、自分でいろいろ考えて時間をやりくりしないとムダな時間を費やしてしまう。時間を有効に使って、インターハイで見つかった課題を春高本番までにどれだけ克服できるか」と気を引き締めている。だが、「残ってくれた岩井さんも、1年生も、とにかくみんな元気。チームの雰囲気が明るいので、その明るさを生かしながら、自分はできることをしっかりやっていきたい」と前を見据える。