なぜ横浜DeNAの左腕エース今永昇太は“虎キラー”なのか…駆使した「偽装チェンジアップ」の正体とは?
「本当に良かった。緊張もあったと思うが腕は振れていた。たくさんのファンの方々の声援もあり、いい復帰戦になった。本人も“ありがとうございます”と興奮していたが、僕も興奮していた」 指揮官が感じた感動はチームにも広がった。 エースの今永も「僕も凄く嬉しかった。健次朗さんが最後を締めてくれた。もの凄い価値の高い試合だと感じている。ファームにはリハビリに取り組む選手が何人かいる。彼らにも、希望やモチベーションを上げる姿を見せた」と田中健の復活を祝福した。 開幕に出遅れ、優勝どころか、CS圏内からも離され目標を失いつつあるチームには、こういうドラマが必要になる。そして、そのドラマがチームに一体感を生む。 実は、今季阪神にここまで9勝12敗だった横浜DeNAは、この試合に負けていれば、8年連続の負け越しが決定してしまうところだった。だが、投打の“虎キラーコンビ”の活躍と、田中健復活のドラマで、踏ん張ったことで、残り3試合を残して逆に8年ぶりの勝ち越しの可能性が見えてきた。その3試合は10月5日からの3連戦。優勝を狙う阪神にとっては微妙な時期の対戦である。 小林の決勝本塁打と、エース菅野の粘投で広島に2-1で勝ち、引き分けを挟んでの連敗を6で止めた巨人とのゲーム差は「3」。ここにきて一丸ムードが高まり、勢いのある横浜DeNAが、阪神にとってVロードの障壁になるのかもしれない。