「越境EC」「人型ロボット」「空飛ぶクルマ」⋯2024年の中国ビジネスを知る5つのキーワード【年末特集】
人型ロボット
2024年、中国では二足歩行型をはじめとする人型ロボット開発が加速。。世界的にはボストン・ダイナミクスの製品が知られているが、負けじと中国企業も様々なロボットをリリースしている。 その一例となるが、中国を代表するロボット大手の「UBTECH(優必選科技)」は、EVの「NIO」の工場内で同社の人型ロボット「Walker S」を発表し話題に。BYDの工場では、「Walker S1」が、他のロボットと協働してピッキングから搬送、物流までを完全自動稼働を実現した。 ほかにも「宇樹科技(Unitree Robotics)」「逐際動力(LimX Dynamics)」「星動紀元(Robot Era)」「智元機器人(Agibot)」「優理奇科技(UniX AI)」などのスタートアップが新製品を次々に発表し、家事ロボットや山道を登るロボットなど多様な用途に対応する製品が登場している。 スタートアップの資金調達でもロボットは勢いがあるジャンルで、世界の人型ロボット業界では2024年1~10月に69件の資金調達が行われ、案件数では中国のスタートアップ企業による資金調達が56件と最多で、調達額は計50億元(約1000億円)を上回った。ロボットが思考をするプロセスに大規模言語モデル(LLM)を活用できるようになったことから、コストは大幅に削減でき、来年はさらに自然な動作を実現するロボットが、今までよりも手が届きそうな価格で登場することだろう。
空飛ぶクルマやドローン(低空経済)
eVTOL(電動垂直離着陸機)やドローンなど、いわゆる「低空経済」分野も注目を集めた。例えば上海で開催された中国国際輸入博覧会(CIIE)では「時的科技」の5人乗りの「E20 eVTOL」や、「御風未来」の「M1 eVTOL」、「沃蘭特航空」の「VE25-100」が登場。また珠海で開催された中国国際航空宇宙博覧会では「白鯨航線(AirWhiteWhale)」の世界最大の大型無人貨物機「W5000」や小鵬匯天(Xpeng Aeroht)の陸空両用の空飛ぶクルマ「陸地航母(Land Aircraft Carrier)」も話題になった。 この業界はここ数年、政策と資金面の後押しを受け盛り上がっている。完成機だけでなく、動力系統開発企業や新素材を使った機体構造分野開発企業など産業チェーンが整った。しかも低空経済に関連する上場企業70社のうち、1~9月の純利益が黒字となったのは52社で全体の7割強を占め、儲かるようになった。 日本絡みでは、eVTOLメーカーの「億航智能(EHang)」は、茨城県つくば市に日本初の都市型航空モビリティ(UAM)センターを開設。「峰飛航空科技(Auto Flight)」の「盛世龍(prosperity)」も日本企業に引き渡され、両者の製品は大阪万博でのデモ飛行が計画されている。