「越境EC」「人型ロボット」「空飛ぶクルマ」⋯2024年の中国ビジネスを知る5つのキーワード【年末特集】
海外向け製品
越境ECの成長に伴い、中国企業は海外市場向け製品開発に注力。家電やスマートフォンといった既存分野だけでなく、、海外市場進出を前提に特定の商品ジャンルに特化した企業が台頭した。例えば、BYD出身の創業者が率いるマイクブランド「Maono」や懐中電灯メーカー「Olight」、家具インテリア「AuGroup」やペット向け用品「FUNNY FUZZY」などがその代表例だ。日本向けにもAI搭載の掃除ロボットやプロジェクターメーカーをはじめ、様々な中国製品が進出した。 さらには中国のスタートアップ企業による、米国をはじめとした特定の地域に向けた製品も目立った。前者では米国の住宅事情を考慮した庭の芝刈りロボットやプール清掃ロボットといった製品も登場し、クラウドファンディング「Kickstarter」での100万ドル規模の資金調達を実現した企業も少なくはない。バーベキュー人気から開発したを狙ったDJI出身が立ち上げた「ASMOKE」なども話題になった。これらの企業は「高品質かつリーズナブル」を武器に展開を広げており、中国製品への信頼性向上に寄与している。 中国製商品の流通が世界中で拡大することで、海外ユーザーが中国製品の品質をいいものだと捉えているという報道も見るようになった。その結果、深センの電子街「華強北」や、浙江省義烏の巨大卸売市場にも多くの外国人が買い出しにやってきた。特に華強北では、外国人バイヤーをターゲットにしたAI翻訳機やAI搭載ギター、スマートリング、スマホケース、AI眼鏡といった製品がかなり売れたという。 海外へ進出するに、これまでは中国で成功したものをそのままコピーしていたが、各国に合わせた製品、人材、チャネル、ブランドのローカライズが成功の法則だとする風潮が強まった。外国人客のニーズに応えるべく、ショップ対外国人向けサービスで対応し(後述)、日本においても東京の繊維街に義烏のサテライトセンターが誕生した。この流れは2025年以降も加速していくだろう。