「緊急事態宣言」安倍首相が会見(全文1)このペース続けば1か月後に感染者8万人超
GDPの2割に当たる事業規模108兆円の経済対策
この感染症の恐ろしい点は、発熱などの症状がまったくないにもかかわらず感染している人が多いことです。そして知らず知らずのうちに周囲の人にうつしてしまうことで拡大していくという点です。すでに自分は感染者かもしれないという意識を、特に若い皆さんを中心に、全ての皆さんに持っていただきたい。外出する際にも人混みを避け、ほかの人との距離を保つ、飛沫を飛ばさないようにマスクを着けるなどの行動をお願いいたします。そのことがほかの人の命を守ることになります。そしてひいては自分の命を守ることになります。国民の皆さまのご協力をお願いいたします。 緊急事態としての措置を講ずる以上、当然、経済活動への大きな影響は避けられません。もとより、今でも多くの中小・小規模事業者の皆さんが事業継続に大きな支障を生じておられます。世界経済だけでなく、日本経済が今まさに戦後最大の危機に直面している、そう言っても過言ではありません。その強い危機感の下に、雇用と生活は断じて守り抜いていく。そのために、GDPの2割に当たる、事業規模108兆円、世界的にも最大級の経済対策を実施することといたしました。困難に直面しているご家族や中小・小規模事業者の皆さんには総額6兆円を超える現金給付を行います。1世帯当たり30万円に加え、次の児童手当支払いに合わせ、1人当たり1万円を追加することで、お子さんの多いご家庭の家計もしっかりと下支えします。
売上大幅減の中堅・中小法人に200万円、個人事業主に100万円
日本経済を支える屋台骨は中小・小規模事業者の皆さんです。本当に苦しい中でも今、歯を食いしばって頑張っておられる皆さんこそ日本の底力です。皆さんの声は私たちに届いています。皆さんの努力を決して無にしてはならない。その思いの下に、史上初めて事業者向けの給付金制度を創設しました。売り上げが大きく減った中堅・中小法人に200万円、個人事業主に100万円支給します。固定資産税も減免します。消費税などの納税に加え、社会保険料の支払いは1年間猶予いたします。当然、延滞金は掛かりません。 26兆円規模の猶予を実施することで、手元資金を事業継続のために回していただけるようにいたしました。民間の地方銀行、信用金庫、信用組合でも実質無利子・無担保、最大5年間元本返済据え置きの融資が受けられるようにします。さらには雇用調整助成金の助成率を過去最大まで引き上げるなど、考えうる政策手段を総動員して、国民の皆さまと共にこの戦後最大の危機を乗り越えていく決意であります。 今回の緊急事態宣言は、海外で見られるような都市封鎖、ロックダウンを行うものではまったくありません。そのことは明確に申し上げます。今後も電車やバスなどの公共交通機関は運行されます。道路を封鎖することなど決してありませんし、そうした必要もまったくないというのが専門家の皆さんの意見です。海外では都市封鎖に当たり多くの人が都市を抜け出し、大混乱と感染の拡大につながったところもあります。