5日で登録数120万、「mixi2」がロケットスタートを切れたワケ 既存SNSが抱える“混乱”を打破できるか
なぜmixi“2”である必要があったのか
ただ、それならばmixi2を新たに立ち上げるのではなく、既存のmixiを大幅にリニューアルして強化を図る手もあっただろう。MIXIがそうした手段を取らなかったのはなぜかといえば、mixiが現在も継続しているサービスだからこそではないだろうか。 mixiはもともとPC向けとしてサービスを開始したが、インターネットを活用するプラットフォームの変化の波によって存在感を大きく失っていった。実際、NTTドコモの「iモード」などフィーチャーフォン向けインターネットサービスが人気となった2000年代後半から2010年代初頭にかけては、フィーチャーフォン向けに注力したディー・エヌ・エー(DeNA)の「mobage」やグリーの「GREE」に押され、当時人気だったソーシャルゲームの分野では両サービスの後手に回ることとなった。 さらにスマートフォン時代に入ると、「Facebook」「Twitter」「Instagram」といった海外発のSNSが日本でも人気を博すようになり、コミュニケーションに主軸を置いており、これらSNSとユーザーの重複が大きかったmixiの存在感が急速に失われてしまった。その一方で、MIXIは2013年に提供を開始したモンスターストライクが大ヒット。以後事業の軸足をゲームなどに移すこととなった。 そうした経緯から、mixiに対する世間の関心は大きく失われていったのだが、一方で強固なコミュニティを形成していたこともあり、mixiはその後も長くサービスを継続している。それだけにユーザーの多くは現在のmixiに愛着があり、大きな変化を望んでいない可能性が高い。 ゆえにMIXI側もmixiの内容を劇的にリニューアルすればマイナス要素が伴うと判断、いっそmixiの要素を取り入れた新しいSNSを立ち上げた方がよいのではないか、という判断が働きmixi2が登場するに至ったのではないかと考えられる。