トランプ次期政権の「格差と分断」を加速する「破壊的人事」…マスクにケネディ家の異端児、元「WWE」トップまで
そして「リベンジマッチ」が始まる
トランプ政権の返り咲きで「サタデーナイトライブ」などのパロディ番組が面白くなることは間違いないが、もう笑っていられない。トランプ氏は「内なる敵」への復讐を公言し、バイデン現大統領とその息子をはじめとする長い対象者リストが出回るが、「忠臣」を司法長官やFBI長官に指名して、マジで復讐を実行する構えを見せているからだ。 もしハリス氏が勝っていれば、トランプ氏が余生を刑務所で過ごした可能性は十分あった。それを考えると、その本気度は高いと見た方が良いだろう。 トランプ共和党は米議会上下両院の過半数、最高裁判事9人のうち6人を掌握。検察はトランプ氏当選を受けて、「現職大統領を起訴できない」と、機密文書持ち出しと議会襲撃の二つの連邦法違反事件の起訴を取り下げた。最高裁は先に、大統領在任中の行為は免責される、というトランプ寄りの判断を出している。 この国は、「私怨」に燃える人物に三権分立を空洞化させ、大統領なら何をやっても許されるというかつてない権力を与えてしまった。新年1月20日には、戦々恐々の「リベンジマッチ」の開始を告げるゴングが鳴る。
小出 フィッシャー 美奈(経済ジャーナリスト)