ご当地デリカ(惣菜弁当)100選 新潟県「原信・ナルス」だし香るシリーズ 寡黙で誠実な新潟気質の商品開発!合言葉は「おいしさがドまん中」
研さんに研さんを重ね続ける定番惣菜!
俗に寡黙で誠実と評される新潟気質。その新潟気質を地で行くのが「原信」(68店舗)と「ナルス」(12店舗)の惣菜だ。一見控えめだが、内に秘めたる研さんの蓄積は「惣菜の手本」と賞賛されている。スーパー業界でいち早く「消費者の食シーンと連動した惣菜開発」を掲げ、生鮮3部門と惣菜部門の連携を強化。部門間の壁を越えた横串戦略により「おいしさを仕入れ・作り・伝える」を実践してきた。スーパーにありがちな「それなりにおいしい定番惣菜」ではなく、「確固たる理由のあるおいしさ」を追求する惣菜の数々を紹介する。 【写真で見る】ご当地デリカ(惣菜弁当)100選 原信・ナルス
だし感を強調しポジティブに減塩 「だし香るカツ重」
だし感を充実させることでおいしさアップと減塩を両立させた看板ブランド。同社の株主総会で「惣菜がしょっぱい」と指摘を受け、減塩惣菜を発売したところ、「減塩=おいしくない」とのネガティブイメージから販売はイマイチ。改善策として、減塩のアピールをやめ、濃厚だしで風味を補強したところ大ヒットした。その後「だし香るブランド」に発展。現在、惣菜部門で40~50品、PB加工食品などを含めるとブランド約190品に達する。
「だし香る」ブランドを加工食品にも水平展開 「だし香る大粒ふわとろたこ焼き」
「何よりおいしさが評価されている。無意識に健康を演出できる惣菜は理想的」(同社広報)と胸を張る。中でもブランドを象徴する双璧が「だし香るカツ重」と「だし香る大粒ふわとろたこ焼き」だ。カツ重のヒットにより、単なる減塩ではなく、だし感を強調するコンセプトが誕生した。 たこ焼きは専門店レベルを目指して一層だし感を訴求。中身はトロミのある軟らかい生地、外側は形状を保つ強い生地の2層構造。さらにタコを大きくカットし、加熱後の縮みを減らしてタコの存在感を高めている。だしの原料は主に鰹節、昆布、鯖節、椎茸。料理ごとの絶妙な配合が自慢だ。
新潟県山間部のソウルフード 「くるみ太巻き」
「くるみ太巻き」の食文化は、ほぼ新潟県内に限られている。具材のメインは濃厚なオニグルミの甘煮。昔、流通が乏しい山間地域で、魚介ネタのごちそう感をイメージして特産のオニグルミが使われ、次第に県内全域に伝わったという。 具材はシャリ、オニグルミの甘煮、卵焼き、干瓢、椎茸煮、ヒジキ煮、キュウリ。太巻き1本を8カンにカットし、4カン1パックで販売。本品の差別化はクルミの粒が大きいこと。クルミの濃厚な風味、立体感と食感を生かすため、相場よりもひと回り大きく砕いている。クルミ入り、他の精進太巻きの販売比率は9対1。老若男女を問わず「クルミはごちそう」が浸透している。