谷川俊太郎さん（撮影・深堀瑞穂）

　戦後日本を代表する詩人として海外でも評価された谷川俊太郎（たにかわ・しゅんたろう）さんが13日午後10時5分、老衰のため東京都杉並区の病院で死去した。92歳。東京都出身。葬儀は近親者で行った。喪主は長男で音楽家の賢作（けんさく）さん。後日、お別れの会を開く。 　父は哲学者で法大総長などを務めた谷川徹三さん。10代で詩作を始め、1952年に詩集「二十億光年の孤独」でデビュー。当時20歳。みずみずしい言語感覚を持つ戦後詩の新人として注目された。 　53年に詩人の川崎洋さんと茨木のり子さんが創刊した詩誌「櫂」に参加、大岡信さん、吉野弘さんらと交流。現代詩だけでなく幅広い分野で活躍し、62年には「月火水木金土日の歌」で日本レコード大賞作詩賞を受賞。64年東京五輪の記録映画（市川崑監督）には脚本家として参加した。アニメ「鉄腕アトム」の主題歌の作詞も手がけ、翻訳作品にはスヌーピーとチャーリー・ブラウンが人気の漫画「ピーナッツ」シリーズなどがある。絵本「もこもこもこ」は77年の発売から40年以上だった今も愛読されている。 　朗読にも力を入れ、賢作さんと共に各地でコンサートを開いた。詩集は英語、中国語など二十数カ国語に翻訳され、中国では文学賞を受けた。