「さすがに消極的すぎ」絶好調に見えた脇本雄太 大敗の背景を帝王・山田裕仁氏が推察/熊本競輪G3・決勝回顧
「展開」と「メンタル」の重要さ
さらにいうと、KEIRINグランプリ出場に向けて優勝賞金を上積みしたい気持ちも、強気な仕掛けに「待った」をかけたかもしれません。優勝を意識した結果、攻めきれなくなって大敗するというのは、よくある話なんですよ。展開待ちになって敗れるという「脇本選手の負けパターン」であるのと同時に、こういったメンタル面の弱さも出ての大敗だったのではないか… というのが、私の推察です。 輪界“最強”のタテ脚を持つ男が絶好調に近いデキでも、レベルが高くデキのいい相手ばかりになる決勝戦だと、太刀打ちできないことがある。優勝を意識して攻めきれなくなると、逆に脆さが出て大敗してしまう。競輪という競技における「展開」と「メンタル」の重要さが、よく表れた決勝戦でもありましたね。競輪は、自分との戦いに勝てるかどうかが問われる、メンタルスポーツでもあるのです。