「悪夢の文在寅政権」の再来も…悩める国・韓国で「反日モンスター」政権が生まれる日
韓国の「核兵器保有」も
私はこの運動が始まった時、怖いもの見たさで李知事にインタビューを申し込んだ。そうしたら意外にもゴーサインが出たが、前日になってドタキャンされた。日本人記者の取材を受けること自体が「親日的」と見られると判断したようだ。 李在明代表は、今年4月の総選挙でも、反日的なスピーチを展開。今回の尹大統領弾劾の理由の一つにも、「親日外交によって国益を損ねた」ことを挙げているほどだ。 こうしたことから、来年前半に李在明政権が誕生したなら、日韓関係はもとより、この2年で拡充された日米韓の軍事協力の枠組みもヒビ割れていくだろう。 だが、トランプ大統領と李在明代表は、ウマが合いそうな気がする。李はかつて、その奔放な物言いから「韓国のトランプ」の異名を取っていた。 李在明外交の基本は、「同盟より同胞」である。つまり米国との軍事同盟よりも、金正恩委員長率いる北朝鮮という同胞との「仲間意識」を重要視するものだ。その点は文在寅外交と同様だが、予測不能な点では、やはりトランプ外交に近い。 そのため、トランプ大統領が持論である「在韓米軍撤退・縮小」を言い出したなら、「K!その代わり韓国・米国・北朝鮮の友好親善を深めよう」と言い出しかねない。文在寅大統領の悲願だった「米韓朝3ヵ国首脳会談」を、李大統領が実現するかもしれないのだ。 さらに言えば、在韓米軍撤退・縮小の条件として、トランプ大統領に「韓国の核兵器保有」を容認させる可能性もある。すでに今年1月に韓国で発表された世論調査では、72・8%の韓国人が「韓国は核兵器を持つべきだ」と答えているのだ。 李在明外交は「親中反日」でもあるので、習近平政権はほくそ笑むだろう。すぐに「北京詣で」に行くはずだ。 代わりに、韓国の強大な軍事力を日本に向けてくるリスクも警戒しないといけない。事実、文在寅政権時代の'18年12月には、韓国軍が自衛隊にレーダー照射するという驚愕の事件が起きている。 こうした日本にとっての「悪夢」を回避するには、「後継者」韓東勲代表らの今後の台頭に期待するしかない。だが、与党がボスの「大醜態」をカバーするには、あまりに荷が重すぎる―。 「週刊現代」2024年12月21日号より
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